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Chapter 024_お色気お姉さんの誘惑

キュルグ掃討戦は成功裏に終わった。

…もちろん。キュルグは身体が小さいので取り

こぼしも一定数いたワケだが、ソレは計算の内。


ハーレムキングの全てと、ハグレのオスも相当数

倒すコトができたので、身を守ることができない

メス達は森の中で他の魔物に淘汰されるコトだろう

何もしなくともキュルグは数を減らしていくに違いない。



「ねぇ…。ベルナール君とレオン君…だったかしら?」


ベルナールとレオンも活躍できた。

依頼達成料に加え、少しばかりのボーナスまで貰えた。


宿に帰った2人は返り血を水龍シャワーで洗い流してサッパリしてから

シードルとエールで祝杯を挙げていたのだった



「も?」「む?」


2本目のシードルと3杯目のエールを頼んで“いいかんじ”にできあがり

お互いの健闘を称え合っていた2人に声をかけたのは…



挿絵(By みてみん)

「ちょっとお話しいいかしら?」


長い黒髪に(みどり)の瞳がよく似合う

ヒラヒラで。()()()()服を纏った

お色気たっぷりのお姉さんであった…



「あ、あれ!?えぇと、確か206号室の…」

「あら?覚えていてくれたのね?嬉しいわ」

「そ、そりゃぁ。お客様ですから…」


突然の声掛けであったが、

飲んでいた割に冷静だったベルナールに



「うえぇっ?…ベルは今日は。非番でぇすよぉ〜」


アルコールで逆上(のぼ)せたレオンが続けると…



「…ふふふ。もちろん知っているわよ。今日は、冒険者としてのあなた達に声をかけたのよ…」


妖艶な笑みを浮かべるお姉さんに



「冒険者として?」


…思わず頬を染めたベルナールが答えると



「…そ。…ねぇ、ココ座っていいかしら?」


そう言いながら、そのお姉さんは4人がけのテーブル

に向かい合わせで座っていたベルナールの隣を細い指で示したのだった



「は、はぁ…」

「失礼するわね」


合意を確信していたのか、

お姉さんはベルナールの言葉に間髪入れずに答え



「!?」


レオンから注がれるアツい視線…主に胸元に向かう…を知ってか知らずか

何食わぬ顔で優雅に音もなく席について白く長い白磁のような脚を組み…



「メルヴィというの。よろしくね…」


再び

妖艶な笑みを浮かべたのだった…






「そ、それで…」

「冒険者のオレ達に…ってコトは、依頼でしょうか!?」


慣れない状況に、()を開けたくないベルナールが声を上げると、

レオンが身を乗り出してきた



「…えっ?違うけど…」


しかし、キョトンとした表情で

レオンの言葉をアッサリ否定したメルヴィは



「でも…」


レオンの視線に気付きながらも、大きく張りのあるソレを

隠そうともせず、再び妖艶な表情に戻り



「…”お願い”。という意味では一緒かしら?」


と…

“あえて”かどうかは知らないが、胸の下で腕を組んで“押し上げ”

釣られて動いた二人の視線に手応えを感じた顔でそう言った。


そして…



「…今日ね。あなた達の実力見せてもらったの…」

「実力?」

「キュルグ掃討戦に参加していたでしょ?私もあの場所にいたのよ」


ベルナールのコップにシードルを注ぎながら

メルヴィは言葉を続け…



「私も冒険者…あなた達と同じ4級なの。コレまでは良かったんだけど、今回改めて接近戦力が必要だなって思ったの。…ほら、この格好見れば分かるだろうけど私。魔法主体だから…」


そう言うメルヴィの服装は踊り子のようなヒラヒラしたもので

本人が言う通り接近戦に…と、いうか、

そもそも、”戦い”に向いているとは言えないモノであった






「…は、はぁ。」

「それで。えぇと…」


戦いに集中していた2人は見ていなかったが、

キュルグ掃討戦の参加条件は4級以上であったため、上位ランカーが

多いこの宿のお客が参加していても不思議じゃない。


けれど…確かに2人は”ある程度”活躍できたけれど、

自分達より活躍した者など数え切れないほどいたハズだ。


なのに、どうして声をかけてきたんだろう…?



「それで…って。分かない…?」


呆れたような、困ったような声に続けて



「…だから。あなた達の仲間に加えて欲しいって言ってるの」


…と、

そう告げたのだった。



「…」


その言葉を耳にしたベルナールが

「…あれ?でも、このお客さん。確か…」

と、冷静に考えていた横でレオンは



「もっちろん!大歓迎ですよ!!」


期待に胸を膨らませて椅子から立ち上がり…

「…いやいや、胸が膨れているのはオレじゃなくて。むしろ…ぐふふふ…」

と、煩悩全開の思考を巡らせたのだった



「あら、どうもありがとう!」


レオンの下心を知ってか知らずか…おそらく知っている…

メルヴィは笑顔で軽く受け流し…



「ベルナール君は…」


…と、隣に座るベルナールに向き直り



「ベルナール君はどうかな?」


ベルナールをまっすぐ見つめる

その瞳に…



「…」


色仕掛けではあったケド…輝きのある瞳からして案外、

誠実な人なのかもしれないな…そう、考えたベルナールは



「…いいですよ。」


注いでもらったシードルを手にしながら



「ただし…」


念には念をいれるつもりで…



「…いちおう。”お二人”の実力を見せてもらっても?」


そう唱えた。その言葉に

メルヴィは



「もちろんよ!」


と、笑顔で答えたが一方で



「…へ?」


…レオンは笑顔を疑問符に変えて






「………おふたり?」

同時刻。

宿のキッチンにて…



「なっ…なななっ!?何よあの女!?なにベルナールさん誘惑してるのよ!スタカッテイシモ様!?あの女は…」

「落ち着きなさいリチア君。彼女は別に怪しいお客じゃ…」

「ベルナールさんを誘惑しているんですよ!?怪しさ全開じゃないですか!?」

「パーティーの勧誘なんてよくあるコトじゃない。そんな目くじら立てなくt…」

「お胸を使って誘惑するなんて卑怯ですっ!あんなの脂肪の塊…な、何がいいっていうんですか!?」

「そんなコト私に言ってどうするのよ…。とにかく!メルヴィ君は後ろ暗いところもない健全なお客様よ!宿の経営を思うなら余計なことは言わないようになさい!」

「う〜…うーうーうーっ!!!」


「ヤキモチ焼いてるお姉ちゃん。かぁーいーのぉ…」

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