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Chapter 006.5_【月天使】と【月の雫】<閑話>

林檎です!


今回は3話連続投稿です!

【月天使】と【月の雫】に関しての解説閑話となります!



ちょっと長いので流し読みしていただければと思います。


もちろん、あくまでも”解説”ですので、

読み飛ばしていただいても構いません…

~月天使~


【月天使】は【月天使教】という宗教団体が(まつ)る【治癒術】を司る

生ける神フォニア…つまり、姉妹の母である【夜の魔女】のコトである。



【月天使教】は

【エディアラ王国】の王都【エディステラ】の地下に広がる

瀧洸(ろうこう)大聖堂】を総本山に据えた新興宗教で、治癒術師と

薬草師、そして患者たちが信者となって支えている。


教義は無いも同然であるが、フォニアが


一般の人々に向けて綴った

【美味しくいただきます】という”公衆衛生啓発本”や、


術師向けに綴った

【ひと唱えの前に】という実践的な初期治療ガイドブック



が、なぜか【聖書】や【聖典】として崇められており

コレが教義に近い役割を果たしている…本当に果たせているのかは疑問であるが…

一応、ソウいうコトになっている…


宗教の「教義」とは何か?…議論の余地があるが、

結果的に聖書のおかげで月天使教の熱心な信者は公衆衛生に敏感になり、

規則正しい生活や栄養バランスのとれた食事を心がけるようになった。

それゆえ、入信すると「健康になる」という噂が広がり信者が増え、

国教であるヒナ教に並ぶ大宗教に急成長した。


過去の経緯からヒナ教の教会のすぐ隣に【治癒院】…月天使教の

教会を兼ねる…が建っているため

人々はミサの日に、

「ヒナ様に豊作を願った後、月天使様に健康を祈る」

といった形で、教会を”はしご”するのが習慣となっている。




治癒術師は以前、【ヒナ教会】に管理されていたが【月天使教】に移行してから

組織運営が健全化され、術師が直接意見を言えるようになった。

貴族に囲われたり接待を強要される等の問題は減り、派遣先に関しても本人の

意思が反映されるようになり、待遇が改善され、お給料も増えた。


また、教会の信者が率先して仕事を手伝ってくれるようになった(【聖書】の

おかげ)ので術師の負担も減り、(忙しいのは変わらないものの…)

満足度は高い。



フォニアの意思を反映して教会には、学校を兼ねた孤児院が併設されるコトが多く

治安維持や人権擁護の一翼を担う存在となっている。

因みに、ルボワ市の教会にも孤児院は併設されており、宿屋【小さな魔女の家】

にお手伝いにやって来ているのは、ココの子供たちである。


「捨て子が多い」という

リブラリア全体の社会問題を解決できたわけでは無いが、孤児院に入れば

【本魔法】の知識を貰えるので【孤児院出身】という戸籍が手に入る…という

点で大変意義深い。

(※筆記社会であるリブラリアでは戸籍が無いと街から移動できないし、まともな

仕事に就く事もできない。月天使の名前は孤児たちを社会に羽ばたかせるための

大きな翼となっているのだ。)




Q1.神様なのに天使?…「天の使い」???

Q2.前作で綴られた「黒天」という名前はどうした?

Q3.術師の集団が、なんで宗教になっている!?


…と、疑問は尽きないと思うので

かい摘んで説明すると…


A1.

それはみんなが思っているコトだけど…


治癒術師としてのフォニアと聞いて、一番に思い浮かぶのが

治癒属性第10階位【優羽魔法(ジェントリーフェザー)

を行使した時の


「「「「「マジ天使!」」」」」


な姿だから…らしい。

理由は「それだけ」っぽい。



A2.

アドゥステトニア大陸に帰ってきた魔女が【瀧洸(ろうこう)大聖堂】

を訪れたとき、改めて術者達に「・・・黒天と呼ばれるのはヤ。」と、

明確に宣言したのが原因。


普段、だいたい何でも受け入れてくれる魔女様がハッキリ「ヤ」と

言ったものだから、コレは一大事だと緊急会議が開かれ

『バチバチッ』のコンクラーベの末【月天使】に世代交代された。



A3.

ソレは魔女も疑問に思っているコトだけど、

周りの皆は少しも疑問に思っていないコトである。


聞いた話によれば…

魔女が内戦を鎮圧して平和になるのと、各地の治癒院の改修工事が行われ

ヒナ教会の”色”が失われると同時に【誰かさんをデザインしたバラ窓】

が追加された。


そして、何を思ったか…治癒術師達は次第にバラ窓をイコンとして祈りはじめた。


術師がやれば患者も真似る。周囲の人も真似る。

患者や元患者、薬草師や貴族や町の有力者、商人や冒険者、農家のおっちゃん

パン屋のおばあちゃん、少年少女、老若男女…も祈りを捧げるようになった。


さらに、一部の狂信者が

 ・フォニアが綴った本を【聖書】だ【聖典】だと(うそぶ)いて配布し

 ・ミサを開いてヒトを集めて健康維持について教えを説き

 ・月天使様の似顔絵やお守り袋や魔女帽(レプリカ)に”ありがたい”文句(もんく)

  添えて寄付を募った。


かくして、宗教団体となった。



※因みに、【月天使教】が流行ったからといって、土着の【ヒナ教会】が廃れた

ワケではない。上層部が何を思っているか知らないが、現場の巫女と術師たちは

(ご近所なので…)和気あいあいとしている。






~月の雫~


【月の雫】…正式名称【月の雫ギルド】である。


コチラは宗教団体ではなく、れっきとした薬草師の協同組合…ギルドだ。



治癒術は確かに便利だ。

けれども限界があるし、課題もある。


治癒魔法に適性を持つヒトが極端に少ないため手数が足りないし、どうしても

費用が高くなってしまう。

また、治癒魔法の効果は”一過性”の…”その場しのぎ”の物である。

このため、疼痛(とうつう)や依存症といった長期ケアが必要な症例に

対応するのが難しい。


そこで、魔女が目を付けたのが異国の耳な…じゃなくて、【エルフ】から

奪っ…じゃなくて、”教えてもらった”薬草学であった。


アドゥステトニア大陸にも旧来から【薬師】と呼ばれる人たちが存在し、薬や毒の

研究と利用を行っていたが”呪術”かナニカと思われていたうえ、知識が体系化

されていなかった…要するに「学問として成立していなかった」…ので、信憑性

に疑問があった。


そこで魔女は、エルフのノートを参考にしながらアドゥステトニア大陸で

採集できる素材を使って傷薬や回復薬・麻酔薬や痛み止め薬を開発。その

知識を整理し、薬草栽培から調薬・機器開発・処方までを担う新しい職業を

つくり出した。それが【薬草師】である。


「治療と言えば治癒術」

と長年考えてきたアドゥステトニア大陸の人々の意識を変えるのは

【夜の魔女】と【月天使】の名前を使っても大変な事であったが

専門の教育機関や、研究所・ギルドを創るなど努力を重ね、後続を育て

患者と治癒術師の意識を少しずつ変えていき…


初の薬草師養成学校である【薬草院】設立から14年経った今、「薬」は大陸

中の雑貨屋や冒険者ギルドの棚に並び、騎士や冒険者の携行アイテムとなった。


生まれつきの”適正”がひつような治癒術と違って、薬草学はほぼ”知識”

(魔道具を使う必要がある…とはいえ、必要な魔力量は多くない)なので

魔法の才能に恵まれなかった者でも習得可能であったため知名度とともに

人数が増加し、今では各地の治癒院にはほぼ確実に薬草師が常駐している。

薬草師が自らのアトリエを構えているケースも少なくない。


薬草師たちは、治癒術師と共に尊敬される…人々の健康を守る尊い職業である

と見なされるようになった。


薬には治癒術のような即効性は無いが

安定した品質で大量生産できるので信頼性が高く、費用も抑えられる。


薬草学によってリブラリアの医療格差は大きく狭まり

人々の平均寿命とQOLを底上げした。




※ちなみに、

【薬師】と【薬草師】という言葉は明確に区別されている。


【薬師】

:旧来の薬剤師。錬金術師の一部と見なされがち。


【薬草師】

:フォニアが広めた薬学を宿した人々。

治癒術の一系統と見なされている。



※薬草師と、ひと言で言っても

 1.新薬を研究開発するヒト

 2.薬草を育てて販売するヒト

 3.調剤するヒト

 4.患者に処方するヒト。

 5.調剤の為の機器を開発したり、修理するヒト

など、いろいろ。

もちろん、これらすべてを行う人もいる。

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