Chapter 001_冒険者仲間
林檎です!
痛みと成長の 2nd Theory
すたぁ~とぉ~!
「いったぞ!!」
1年後…
「『炎よ 侵略者なり』ファイアーボール!!」
ルボワの森浅層で2人の少年が戦っていた
ダンジョンであるこの森では、よく見る光景である…
「ベル!」
「おうっ!」
ダンジョン【ルボワの森】にやってくる冒険者は
大体ソロである。
理由は…
容易に想像できると思うが(人気がある…とは、いえ。)危険でキツクて
汚らしい…つまり、3K揃った【冒険者】という仕事に就きたいと言ったところで
家族の理解を得るのは難しい。
多くの冒険者は「始まりの街」であるルボワに着のみ着たまま…最低限の
発動子(※発動子=魔法の起点となる道具を指す。指輪や腕輪、杖を利用する
者もいるが少数派で【武器】であるコトが多い)だけを頼りにやって来て。
そして、この街で志を同じにする友を…
…命を預ける
生涯の【仲間】を見つけるのが常なのだ
「しまっ…!?」
病める時も。健やかなる時も…
冒険者仲間はまさに【命を預けるパートナー】
…よくある異世界ファンタジーよろしく、
いがみ合っていたらオシマイだ。
追い詰められ、逃げ場を失った魔物は
命の全てをかけてくる。
生き物は恐ろしいモノだ。
魔物は生きる為にヒトを騙し・呪い・罠にかけ
情に訴える事さえある。
一瞬の油断が…油断したつもりなんて無くて、
ただの不運だったとしても…結果がすべて。
「『雫よ 天の恵みを』ウォーターボール!!」
…ソレが。
理と言うものだ。
肉体的に脆弱な”ヒト”という生き物が
敵う相手ではないのだ…
「ふぅー…大丈夫か?ベル…」
まして彼らは歴1年生の素人。
剣の振り方は適当で
魔法の命中率は6割程度。
森の路も生態も把握していない。
魔物の突進から逃れるために飛び込んだ
脇道の安全確認も不十分。
効率が悪くて、失敗もして、知識も中途半端。
「あ、あぁ…」
だから…
「…助かったよ。レオ…」
…だから仲間が必要なのだ。
持ちつ持たれつ
腕を貸して、夢を語りあえる親友が…
………
……
…
「…えぇ!?だ、大丈夫だったんですか?ベルナールさん」
「なんとかね…」
同日夜。
冒険者宿【小さな魔女の家】の食堂にて…
「あはは!コイツ、ツリーカプラから逃げるのに必死で足元見てなくて木の根に躓いてさ、オレの水球魔法が無かったら今ごろ…」
「だ、だから!何度も感謝してるだろ!」
「ふえぇっ!?…お、おにーちゃん!ツリーカプラに追われたの!?アレ、下級魔物だから5級のおにーちゃんには早いよね!?…だ、大丈夫だった!?」
「だ、大丈夫だから!…た、たまたまツリーカプラの視界に入ってしまったから襲われたけど…距離があったから応戦できたし、最後はレオの水球に驚いて逃げてくれたから無事さ!躓いた時に膝を赤くしちゃったケドそれだけで、擦り傷さえ無いから。…そ、そんなに心配しないで。ミーリアちゃん…」
レオ…【レオン】は数ヶ月前から行動を共にしている
ベルナールの冒険者仲間だ。
街中やギルドで何度か見かけ、たまたま、同じ日に同じ”依頼”を受けたコト
から協力するようになり。今では、パーティーを組んで行動を共にしている…
「ほ、本当に気を付けてくださいね?ベルナールさん…」
「そーだよ、おにーちゃん!ツリーカプラの突進は強力で。骨が折れたり、歩けなくなっちゃっうヒトだっているんだよ!」
「ぐぅ…ご、ごめんなさい…」
ベルナールは変わらず、宿でのアルバイトを
続けていた。
(因みに、レオンはもっと安い宿に寝泊まりしており、食事だけ食べに来るのだ)
「そーだぞ、ベル!もっとオレに感謝するんだ!」
「ぐぬぬ…ちょっ、調子に乗りやがって…」
「(姉妹との)対応の差よ…」
レオンという良き相棒を見つけたベルナールは最近好調で
狩りが楽しくて仕方ない。
宿の仕事をあまり手伝えずにいるが、
それでも…
「…ケガとかしてないですか?」
「ほ、骨が折れてるとか…」
…それでも2人はベルナールを追い出すような事は
なく、むしろ心配してくれた。
「だ、大丈夫!大丈夫だから…」
「…ほんと?」
「ほんとだよ!」
「…本当にホント?」
「ほんとにホント!」
「「…うs」」
「嘘じゃないってば!」
ちょっぴりシツコくて、面倒くさいけれど…
「今は大丈夫でも、あとから痛くなるコトもあるって。お母様が以前言って…」
「うぅ!?タ、タイヘン!…おにーちゃん!明日はお休みだよ!」
…それでも。
「お、大げさだよ…。で、でも。ありがとう…あ、明日は宿に居るから…」
「「当然です(だよ)!」」
2人の好意は素直に嬉しい
ベルナールであった…
「…っけ!見せつけやがって!」
…当然。
そのような非人道的行為を公衆の面前で晒せば
軋轢を生んでしまう
「全くだ!羨ましいぞリンゴ男爵(ベルのあだ名)!」
「そうだそうだ!フコーへーだ!」
「コンプラ違反だ!!」
「リ、リチアちゃんはボクの…」
「オレんだコノヤロ!!」
「ふざけんなオッサン!」
「ミ、ミーリアちゃんはボクと…」
「「「ロリコンに死を!!」」」
最近
夜の食堂では”オキマリ”の騒ぎが頻発している。
”宿の従業員”がイチャつく様を見せられている他の客は
たまったモノでは無いだろうが、”冒険者の街”という場所がら、
ソンナのは日常茶飯事だ。
いちいち騒ぎ立てるようなことは…
「とりあえずベルナールは爆発しろ!」
「そうだそうだ!」
「おい誰か!火魔法を…」
「爆破四散しろ!」
…ほ、本気で物理にうったえるような事は
しなi…
「『炎よ 侵r』…」
「「「「きゃー!!」」」」
「おいっ!コイツ唱えてるぞ!!」
「押さえろ!」
「HA☆NA☆SE!」
「唱えられないように口塞げ!」
…た、たぶん。しない…
「モガアッ…!!!」
「追い出せ追い出せ!」
「粛清しろ!」
「衛兵さんコイツです!!」
ただ、まぁ…
若い男女が集まるこの街では
”こういう”騒ぎはいつものコト。
「まったく…騒がしいわね…」
「ス、スタカッティシモ様…」
「あの冒険者には出て行ってもらうとして…でも、あなた達3人も大概よ?」
「うっ…」
「シュン…」
「ごめんなさい…」
憧れ、失望し。好いて、嫌われ。
ヒトはそうやって大人になっていくのだ…
「そーだそ~だ!司書様の唱えた通りだぞベル!!」
「ぐっ…」
「大体お前はいつもいつも!なんでお前ばk…」
「…レオン君?」
「へっ?…し、司書…様?」
「…君も煩いわよ。」
「えっ…」
「大人しくできないなら…魔法本に【暴徒】って綴ってあげてもいいのよ?」
「っ!!ご、ごめんなさい…」
冒険者の街ルボワの夜は。
だいたいいつも、こんな感じで更けてゆく…
スタ「…ふふふ。解ればいいのよ。解れば…」
みんな「「「「「…」」」」」




