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Chapter 023.5_飛空船技術〈閑話〉

林檎です。


【飛空船】に関する

説明の閑話となります。


ちょっと長いので、

参考資料として流し読みいただければと思います。


ではでは ↓

〜飛空船について〜


飛空船は物語の時点(C(カレント)2,205年の晩夏)

の10年前に錬金術師【烏】とその弟子たちによって

生み出された魔力で動く航空機である。


…もちろん。リブラリアでも過去には

「空を飛びたい」と思ったヒトが…


…鳥のような翼を付けて風魔法を頼りに崖から飛び降りてみたり、

…ヒュポグリフを手懐け(たツモリになって)(またが)り命令して

空を目指した… …が、結果はお察しの通りである。


そんなわけで、有紙以来

リブラリアの空は鳥と魔物が支配する未踏領域であった。

(※ただし、例外として魔族の暮すヴェルム・ウェルム大陸には

飛行能力のある魔族<ハルピュイアなど…>が”いるにはいる”)



変化が訪れたのは20年前…先に説明した【落穂事件】の半年ほど前

エディアラ王国と亡きラヴェンナ王国の間で勃発した【金紫戦争】

で【夜の魔女】…当時はまだ【万象の魔女】と呼ばれていた…15歳の天才少女が

【銀翼魔法】という金属魔法で【ラプター】【スピリット】【オスプレイ】

といった現代異世界航空機を戦場で生み出し…


爆撃したり、

偵察したり、

強襲したり…


ハチャメチャ☆チート航空攻撃を展開し、

綴られし空をインクで汚した。


航空機の圧倒的な戦略的・戦術的価値を見せつけられた各国は早速

魔女に取り入り、独自開発しようとしたが揚力方程式も、翼形状の知識も、

モーメントバランスについてさえ、知らなかったリブラリア人が

初手からハイテク戦闘機を造れるはずも無く頓挫(とんざ)


…しかし、ソレから10年後

革命は突然、ドワーフ王国の上空で起きた。



(3大大陸一筆書きの後、帰還した)錬金術師【烏】と、その弟子たち

によって製造された謎の飛空物体(飛空船試作機)がドワーフ王国で

打ち上げられ、アトリエの天井を突き破って空中で不規則に動き回り

その後、墜落。


全ドワーフの度肝を抜き、

後の世に【打ち上げ棺桶事件】として綴られた…




初回がソレ(補助として搭乗していた弟子がひとり骨折した以外、

操縦していた烏も、地上で見守っていた他の弟子にもケガは無かった

けれど、見た目のインパクトが…)だったので、安全性に疑念が

持たれたが事件に衝撃を受けて志願した新しい弟子のデザインで

見違えるほど”良く”なった飛空船の製品機は各国代表への試乗会と

ともに大々的に周知され。以降、毎年行われる事になる


【空の会議】…正式名称:【平和で平等な空域利用に関する国際会議】

を経て法整備や利権分配が行われ。


10年経った今では、リブラリアの”空の馬車”として

忙しく駆け回っている…






現在、製造されている飛空船は


旅客船の【クレシダ】と【ビアンカ】

輸送(貨物)船の【パック】と【デスデモーナ】


の4種類だが、

アトリエでは新型の開発が進められている。


また、

各国が秘密裏に(軍事転用も視野に)研究・開発を続けている。

(※飛空船は空の会議で締結された”魔法仕掛けの契約”によって

平和利用される事になっており軍事転用は出来ないのだが、

抜け道も”用意されている”。)



しかし、飛空船の肝である


 ①無限魔造装置【アマテラス】

 ②矢印(ベクトル)魔法

 ③飛行妖精(フライトアシスタント妖精=FA妖精) と

  空舞妖精(客室乗務員妖精=スッチー妖精)


の開発はおそらく、魔女でもある烏以外には不可能なので

どんなに研究したところで”完全再現”はできない。

ただし、既存機からパーツを引っこ抜いたり模造品を新開発する

コトなら、できなくもない。



…要するに。

魔女が言いたいのはこういうコトだ。


「・・・”私の”飛空船は渡さない。でも、知識と技術は盗んでいいよ。


さぁ、

一緒に空へと羽ばたこう・・・」

















〜無限魔造装置【アマテラス】について〜

無限魔造装置【アマテラス】は錬金術師【烏】が生み出した

【卵】や【飛空船】を(しの)傑作(けっさく)魔道具である。


直径3mを超える球形をしており、

その名の通り"無限に"魔力を造り出すエネルギー製造装置だ。

ちなみに、燃料は(初回の点火時を除き)不要。


これまで、「魔力の製造方法」どころか、

「そもそも魔力とは何か?」と、いうことすら解明されていなかったが

烏…すなわち魔女は、一足飛びで永久機関を作り出してしまった。


当然、そのメカニズムを知ろうとする者や組織は後を絶たないが

多重の安全装置と秘密漏洩防止の仕掛け、厳重な警備。

そして、最悪の場合”自壊”する構造となっているため、

分解・理解は困難を極める。


魔法と物理で守られた球体内部は、

魔女のみぞ知るセカイ…




















矢印(ベクトル)魔法について〜

矢印魔法は、夜の魔女が編み出した…魔法を生み出す魔法【調和魔法(シンフォニックマジック)

によって誕生した”新しい魔法”である。


発現すると「術者を”直接的に”動かす」という危険な効果を発揮し、

0→100 加速をゼロ秒で実現してしまう…人間には速すぎる魔法である。


「便利じゃね?」と、思ったソコのあなた!

それは考えが甘々ですよ!?


矢印魔法は重力や摩擦を無効化する魔法ではなく、

さらに「部位ごとに制御」しないとならない魔法であるため、

意識せずに発現すると

身体の一部が”置き去り”となってしまう。


制御を誤れば骨折したり、ヘルニアを起こしたり…最悪、

断裂してしまう。


…要するに、ね。

下半身をそのままに。上半身だけマッハ3で水平移動する…とか、

そんな無茶ができちゃう魔法なんだよ。

何が起こるか…分かるよね?



飛空船はヒトが操縦する乗り物だが、

飛行制御は主に【飛行妖精】が担当している。


船体を数十cm単位でメッシュ分割し、

荷重・慣性・外力…モーメントバランスを常時測定し、

さらに、気象データをモニタリングして風・気温・湿度・圧力

などを予測しながら

矢印魔法を緻密(ちみつ)に制御している。


専門用語を使えば…リアルタイムテンソル解析をしている…

と、いう意味である。


現代異世界のスパコンでも難しい”超大規模並列演算”をしている

妖精さんに、全員敬礼!!





















〜空の妖精たちについて〜

飛空船には2種類の人工妖精(アニマ)

搭乗している。


飛行(フライトアシスタント)妖精

空舞(スッチー)妖精



【飛行妖精】


飛行妖精は飛行船”そのもの”でもあり

1隻につき、必ず1人搭乗している。


人間には速すぎる矢印魔法の調整から計器類のモニタリング

周辺環境のサーベイまで…飛行に関する”あらゆる”情報の監視・調整

を行っており、場合によってはオートパイロットや緊急回避、

簡単な修理まで行える…


…名前の通り、

飛行(フライト)のアシスタントをしてくれる妖精だ。



見た目は…船ごとに異なるが…鳥の翼を有するヒト型をしている。


当初は「ヒト型」など無く、コクピットで声だけが響いていたが

パイロットはじめ、乗務員との円滑なコミュニケーションのために

端末(デバイス)として、身体が与えられた。


基本的にコックピットから出ることは無いが

緊急時は他の乗務員と共に避難誘導をし、

場合によってはVIPの対応も可能。


口は付いているが、司書妖精と違って「食べる」必要はない。

空気以外の物質を口に入れると、そのまま吐き出してしまう。

ただし、司書妖精と違って「睡眠」の必要があり、

眠らないままでいると故障してしまう。

(※司書妖精は寝る”必要が無い”)


司書妖精と同じく基本的な知識と性格がはじめから設定されているが

環境から学習して少しずつ個性が育つため、同じ妖精は2つと無い。


基本的にヒトと友好的で、飛ぶことに喜びを感じるが

端末自体は自力で飛べない。


現在までに飛空船が事故や事件を起こしたり、

巻き込まれたことは無いが…


…もし、そうなった時。

“生きる道具”である彼らは、何を思うだろうか…



【空舞妖精】

空舞スッチー妖精は客室乗務を目的に造られた人工妖精である。


飛行中、余裕がない飛行妖精に代わって

乗員・乗客・積み荷の監視・管理を担当している。


“スッチー”などという名前だが…一般に想像される”客室乗務”

…機内食を運ぶ・出迎えをする等…が(メイン)の仕事ではなく、

(人手が足りなければ、そういった仕事もするケド…)


・立ち入り禁止エリアにヒトが入らないように見張ったり

・デッキから落ちそうになったヒトを拾い上げたり

・遭難時に乗客を守って導いたり

・魔物に抵抗したり、

・不審者を無力化したり

・迷惑客を物理的に摘み出したり


…などが、主な仕事だ。

※一般的な”客室業務”は、”ヒトの客室乗務員”の仕事。


裏方主体とはいえ、ヒトと接する前提で設計された彼女たちには

高いコミュニケーション能力が求められた。

このため、(人工妖精なのに)ヒトと同じように航空学校で

教育を受けて、業務に当たる。


飛行妖精と同じく、モノを食べる必要は無いが「睡眠」の必要がある。

(※飛行妖精と違って、空舞妖精は食べて消化吸収すること”も”可能。

ただし、効率が悪いので緊急時以外は行わない。)


見た目は蝶の翅を有するヒト型で、短距離なら自力で飛ぶことも可能。

美しい女性の姿をしているが、屈強なマッチョを片腕でぶん投げる

膂力(りょりょく)を持ち、攻撃魔法を行使する事もできる。


見目麗しく、ヒトを愛し奉仕活動に喜びを感じるため

「侍女に来ないか?」と、

勧誘されることも多いが前例はない。






飛行妖精・空舞妖精には毎日の「睡眠」と

定期的な「休日」が義務付けられている。


奉仕活動に喜びを感じるように「設計」されている彼女達は

無理やりにでも休ませないと、壊れるまで働いてしまうからだ。



肉体のメンテナンスはもちろん。

精神的な癒しも妖精の健全な稼働には必要不可欠。


「エネルギー源が魔力」であったとしても、

妖精は人間と同じ”生き物”なのだ…











〜時間概念について〜

ややこしいコトにリブラリアでは

2種類の時間概念


①絶対時間

②太陽時間


が運用されている。






①絶対時間


異世界と同じく、

1日の”時の長さ”を24に分割し、さらに

3600で割ったモノを「1秒」と定めた時間だ。


厳密に言うなら…

「セシウム原子時計」を基準に定められた時間

…ではあるが


リブラリア人の認識はソコまで進んでいないので

上の表現で問題ない。



絶対時間は

「”エディアラ王国王都エディステラ”の ○○年の春分の日の正午」


を【基準時】として世界共通で定めたモノ(異世界でいう【世界時】)

であり、緯度にも経度にもよらない全リブラリア共通の時間だ。


絶対時間は飛空船の登場と共に必要になり

【空の会議】で定められた…という経緯がある。


長距離移動では絶対に必要になる概念ではあるが、

緯度経度によって生活リズムとズレが生じてしまうため、

一般には広まっていない。


※そんなの当たり前!と、思うかもしれないが

リブラリア人は日の出とともに目覚め、日の入りとともに床に就く

生活を数千年も続けてきた為、絶対時間が身体に馴染まない。



…そのため考案されたのが






②太陽時間



太陽時間は 日の出〜日の入り を12分割した【昼の刻】

      日の入り〜日の出 を12分割した【夜の刻】


から成り、

太陽の運動を基準にした時間である。

農耕民族リブラリア人の生活に根ざした時間概念である。


…あ、あれ?

でも、それでいくと…場所によって時間が異なるのはもちろん。

「1時間の長さ」も毎日変わるんじゃ…!?

と、解った方は、さすが読者様です!


お察しの通り太陽時間は緯度経度と

季節によって変化する”相対時間”である。


夏と冬とでは昼の1刻(太陽時間の1時間は「1刻」と表現される)

と夜の1刻に大きな差が生まれてしまう…例えば、


夏のある日

  昼の1刻 = 絶対時間で1時間20分

 だったとき、同日の夜は

  夜の1刻 = 絶対時間で40分


冬は、昼夜の1刻の長さが逆となる。



さらに

【白夜】(1日中太陽が沈まない日のコト。異世界地球の北極や南極周辺

で起きる自然現象)や

【極夜】(まる1日を通して太陽が昇らない日のコト。)では

太陽時間が成立しない!


構造的な問題も抱えている太陽時間だがリブラリア人にとって

「時間」と言えば


この「太陽時間」がソレだ。



現在のリブラリアでは、この2つの時間概念が

「並列」で運用されている。


「ややこしいなぁ…」と思っているのは

航空業界の人と、飛空船に搭乗するヒトだけ。


実際に困っている人は多くない。



本小説では…できるだけ混在させないように努力しますが、

必要に応じて


・絶対時間は「〇時〇分」

・太陽時間は「昼の(夜の)〇刻 ()()過ぎ」


などと、記述します。






















~おまけ~


…さて。

飛空船関連の説明はコレでオシマイ!


長文を呼んでくれたお礼に

飛行妖精と空舞妖精のイラストを貼ります!






~飛行妖精~

第4階位 旅客船【クレシダ】

挿絵(By みてみん)

「平和だなぁ~…」



※飛行妖精は必ず「着陸した状態で睡眠時間が取れる」ように

厳密にスケジューリングされています。

居眠りなんてしたら、墜落しちゃうかも!?



~空舞妖精~

【パピエル】

挿絵(By みてみん)

「お母様と空の旅っ」



※空舞妖精はクルーや乗客との交流を通してファッションや

 お化粧を学び、実践していくので個性的でお洒落に成長していきます。


つまり、推しの子を見つけて積極的に話かければ

自分好みに育ってくれるというコト!


コレはもう、乗るしかないね!!



それでは、快適な空の旅をー☆

ボン・ヴォヤ~ジュ!

次から 2nd Theory に入ります!

お楽しみにっ ;D

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