Chapter 022_空港ラウンジ
林檎です。
本話も短めです。
ご了承くださいませ…
「もっと、ゆっくりしてけば良いのに…」
「・・・んふふ。ごめんね・・・」
しばらく後。
ルボワ空港ラウンジにて…
「ユキちゃんには、ミー特製の”焼きブルーナッツ”をあげちゃうよ!お空で食べてねー!」
「…ありがと、おねーちゃん。今食べる…」
「えぇっ!?…ま、まぁ。いいけど…」
龍に宿を任せた姉妹はベルナールを置いて、
母親と妹がいる空港へ別れの挨拶にやって来た。
「交代する?」
「…今回は。このままで。いいんじゃないかな…?」
「そうね…」
その横で、司書妖精である”スタカッティシモちゃんっぽいの”と
”カルマート様っぽいの”も別れの挨拶っぽい事をしていた。
この2人は魔女の秘書業務と子供たちの世話を交代しながら
担当しているのだが、今回は「このまま」でいいそうだ。
…全異世界のカルマート様ファンの皆様には申し訳無いけど、
コレが2人の最適解だというのなら仕方ない…
「・・・リチア。また、無理しちゃメよ?」
「わ、分かってるってばぁ〜…」
リチアは以前。熱があるのに仕事を続けて悪化させ
寝込んだ事がある。
堕天使の祝福を受けているから深刻な事態にはならないだろうけど…
幼い頃から病気がちで身体の弱いリチアが心配なのだ…
「大丈ー夫だよ、おかーさま!なんてったって、ミーが居るもの!」
「私もいるわ…」
実際、ミーリアは異変に敏感でよく気づくので頼りになる。
知識要員で、いつも冷静な”っぽいの”もイザという時
本当に頼りになる。
「・・・んふふ、そうね。頼りにしてるわ・・・」
「頼られたー!」「…られたわ。」
体調の心配もあるが…
龍と妖精の守護。そして、騎士団長である父(姉妹から見ると血縁上は
「祖父の兄」だが安全パイをとって「本家に養子入り」しており、
身分の上では「父」となる。つまり戸籍上、リチアとミーリア
<あと、長女のセルディア>は騎士団長の娘で、伯爵令嬢。)
の威光があっても、魔女の娘を狙う者は後を絶たない。
自分のせいで娘が狙われているコトに心を痛める魔女であるが、
だからといって、娘の自由を制限したくもない。
「…おかーさま。私には…」
「・・・んふふ。リチアも・・・お願いね?」
人並みに母親になった魔女は今更、後悔していた
「んぅ!!願われたわ!お母様!えへへ…」
「・・・///」
あぁ…自分はなんて、親不孝だったんだろう。
と・・・
「ご歓談中。失礼いたします…」
夏の陽が刺すラウンジで
母娘に声をかけたのは…
「もう、間もなくフライトのお時間です。お母様…」
「・・・ん。ありがと。パピエル。」
人工妖精の1種
【空舞妖精】 パピエルだ。
「はいっ!…そろそろ、お支度願えますか?」
旅客船にはヒトの客室乗務員と空舞妖精を
最低1人づつ乗船させるコトが義務化されている。
しかし、
事故もハイジャックも経験したことの無い
リブラリアの人々ははじめ、”客室乗務員”の必要性を
理解していなかった。そのため、その存在を疑問視する
声も少なくなかった。
「・・・ん。そう・・・ね・・・」
けれど魔女は譲らなかった。
第1回【空の会議】で必要性を説いた魔女は翌年の第2回目の会議に
空舞妖精を用意し、船内の不自由や事件・事故の可能性を示した上で
フライトを体験してもらい。
彼女たちの高い対応力と臨機応変さ。そして、
人間顔負けの…完璧と言っていい…礼節と言葉遣いを実演してみせ…
「空の侍女」としての存在意義を示した。
「…?何か…心配事でございましょうか?お母様…」
客室乗務は妖精だけに任せれば良いのではないか…
そんな案も出されたが造れる数に限界があったので、
現在のように決められた。
飛空船が浸透した今、リブラリアでは
妖精とヒトの協働が「当たり前」なのだ。
「・・・う?んふふ。大丈夫よ・・・」
すっかり飛空船の「顔」となった客室乗務員たち。
美男美女揃いであるため…今では、
”推し”を宣言して彼ら彼女ら目当てで飛空船に乗る
熱心なファンもいるほどだ。
「左様…ですか…」
非公開であるハズのスッチー達の予定を
ファンがどうして知っているのか…
…それは、
魔女すら知らない世界の謎
「スッチー」はリブラリアにおける【客室乗務員】全員の通称です。
「空舞妖精」は、そのまま「そらまい」妖精と呼んでいただければいいのですが、
「スッチー」という言葉が広まってしまった為、「空舞」と書いて「スッチー」と
呼ぶ場合もあります。
それはそうと…次のお話が、本章の最終話となります!
お楽しみくださいませ




