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Chapter 021_姓と名と家族

リンゴです。


本話、少し短いです。

ご了承くださいませ…

「なっ…名前なんて何だっていいじゃないですか!」

「そうだよ!おにーちゃんはおにーちゃんだよ!!」


リチアとミーリアは怒っていた



「姓が違ったって、家族は家族です!」

「お母様はお母様だし、お父様はお父様だよ!」


ベルナールが”制度”や”姓名”を言い訳に

グズグズしていたからである。



「…ベルナールさんはどうしたいんですか?」

「…」

「帰りたいの!帰りたくないの!?」

「…」


本当の問題は名前(ソコ)じゃ無いってことに

2人はスグに勘づいた…



「大事なのはベルナールさんの気持ちです!」


貧乏を理由に姓を失わざるを得なかったコトは…確かに、

残念な事であった。

だが、故郷から遠いルボワへ(わざわざ)やって来たのは

ベルナールの意思だったハズだ。


仮に今、故郷に戻ったところで男爵家3男の彼に栄光の日など

訪れないだろう。

家族の仲は良好で親兄姉(きょうだい)に追い出されるコトは無いだろうが…

果たして、兄の嫁や子供たちも同じように受け入れてくれるだろうか?


遅かれ早かれ、ベルナールは独り立ちするしかなかった。


要は、

タイミングの問題だったのだ



「おにーちゃん。冒険者になろうって…だからルボワに来たんじゃないの?」


故郷を愛するなら…

 真相を探ればよかった。

シードル作りをしたいなら…

 父のコネで面倒を見てくれる農園に行けばよかった。

錬金術師になりたいなら…

 アトリエの門を叩けばよかった。

冒険者の街なんて数え切れないほどある。


それなのに、

家族が用意してくれた資金を全て使って

故郷から遠いルボワにわざわざ来たのは何故だ?


誰もが憧れる初心者冒険者の街ルボワに憧れたからじゃないのか!?

偶然だなんて言わせない!!


命賭けて夢叶えてる他の冒険者を

バカにしているのか!?






「…ベルナールさん。例えば私たち姉妹はお母様の姓…【ピュシカ】を名乗っていません。お母様や…才能に恵まれた兄妹は【ピュシカ】を名乗っていますが、私やミーリアにはソレがありません…」


っと…熱くなってしまった作者やミーリアに引き換え

リチアはこんな時でも冷静だった。



「…でも、それは。才能がなかったから…といった理由ではなく。私たちの身を案じたお母様の配慮です。ピュシカの名は…”自慢”にはなるでしょうが、ソレだけで。誘拐されそうになったり、命を狙われたり、余計なトラブルに巻き込まれたり…説明や納税が大変という側面もあります。実生活上のメリットはほとんど無くて。むしろ、デメリットを上げたらキリが無いほどです。」


最後まで「お母様と一緒がいいの!」…なんて、駄々をこねていたリチアが

”こんなコト”を言えるほど大人になったなんて知ったら

きっと、お母さん泣いちゃうぞ…



「…私も最初は悔しかったです。…自分に。【リチア・ピュシカ】と名乗るだけの力がないってコトが…悔しかった…」

「おねーちゃん…」


「けれどソレだけでした!私たちがピュシカを捨てても、お母様もお父様も兄妹もなにも変わりませんでした!家族みんなが私を「リチア」と呼んでくれるコトに変わりありません!すべての物語の中で一番大事な家族が私を(リチア)と認めてくれている。周りの人が私たちをドウ見るかなんて…そんな”些細”なコト。ドウだっていいじゃないですか…」


…リチアはエルフな見た目なのにエルフじゃ無かったり。

魔女の娘なのに魔法が苦手だったり…


変な期待をされて → 失望されて…


偏見や思い込みに翻弄されて

ヤな思いをした経験が沢山ある。

だから…



「廃嫡がナンだって言うんですか?姓があろうが無かろうが。私たちはベルナールさんを宿にお招きしましたよ?」

「ソレは…」

「…おにーちゃん。昨日の冒険…つ、つまらなかった?ミーは…楽しかった。けどな…」

「それは………」






「…」

「「…」」



「…出発は午後の鐘の少し後だそうです。」

「お、おねーちゃ!?」


「っ…お、おにーちゃん…タ、タルト食べてね!美味しいよ!!…ま、待ってよ、おねーちゃん!!」


『バタンッ!』

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