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Chapter 010_魔女の錬金小屋(夜)

「ふぅー…」


その日の深夜…



「…よ、よし…」


生まれて初めて体験した「しゃわー」という水(お湯)浴び魔道具に

「しゃんぷー」と「こんでぃしょなー」という髪専用の液体石鹸。

そして、錬金術師リチア作の爽やかな香りの石鹸。

仕上げに「どらいやー」という髪を乾かす魔道具

そして…



………

……



「コレがヘアオイルだよ!」

「コッチはケショースイというの。お肌に塗って潤いを…」

「ケショースイの後にはニューエキを塗るんだよ!少し『ペチャペチャ』するけど、朝になるとシットリ凄いんだから!」


「…ね、ねぇ。2人とも…」

「「う?」」


「そ、その…」

「「…うぅ?」」


「…オレ。は、はだか…」

「「…」」


「…///」

「「っ//////」」


「「キャアァァーー!!!」」



………

……



「…ベル君。夜の錬金小屋には…ふふっ。気を付けるのよ…」


艶のある”スタカッティシモちゃんっぽいの”がベルナールに声をかけたのは

真っ赤になった姉妹がベルナールの顔と下半身を見ないように…た、たぶん見ないように…モジモジと食堂に戻ってきた時のコトだった…



「気をつけろ。ですか…?」


…当然の疑問を口にすると、



「…ス、スタカッティシモ様!そっ、そんな警戒させるようなコト…」


頬を染めたまま

リチアは両手を『フリフリ』と、それを否定した



「よ、夜になるとっ。みんな動き出すから…」


続けたミーリアの言葉に



「…みんな?」


疑問を増したベルナールは更に聞き返したのだった。

すると2人は…



「ひ、昼間は目立たなかったカモだけど…」

「納屋にはね。人工精霊(フェタ)人工妖精(アニマ)がいっぱいいるの!」


「いっぱい!?」


本精霊(リーブラ)以外のフェタもアニマも見たことがなく

司書妖精すら遠い別物語の生き物(?)だと思っていたベルナール。


「精霊と妖精が“いっぱい”」という言葉に彼が驚くのも無理はない。

おそらく、誰でも同じ反応をしただろう。この宿(いえ)が異常なのだ…



「で、でも!」


ようやくベルナールの顔を見る事ができた姉妹は

両手の『フリフリ』を加速させながら



「み、みんないい子だから大丈夫!」

「ん、んぅっ!そーそー!みんな”可愛いさ”あり余ってるよ!!」

「危険なんて危なくないわ!」

「ノッ、ノーリスクハイリターンだよ!!」


先ほど、宿の食堂で始まった自分(リチア)を巡る

酔っ払い同士のケンカを冷静に捕縛魔法で捕らえたリチアが、

こんなに動揺してしまうなんて…



「…」


なんだか申し訳なく思い始めたベルナールが

『シュン、』と大人しくしていると…



「…害するような他人(フェタ)同類(アニマ)は居ないわ。でも、驚いたり怖がると向こうも警戒しちゃうから。平静に…ね?」


ベルナールによってお風呂で洗われた”っぽいの”は、【れーとーこ】という魔道具から取り出した【ショコラバニラバー】をカリカリしながら(つぶや)いた



「…え、えぇと。つまり…夜になると納屋に沢山のフェタやアニマが現れるけど、慌てるな…。と、いうコトですか?」


3人の話を要約するに…たぶん。こういう意味(コト)だろう…

ベルナールが聞き返すと…



「ん、んぅ!」

「その通りです…」


ミーリアはクセ毛を『フワフワ』と、

リチアはおさげを『ツヤツヤ』と振りながら

何度も頷いたのだった。


そして最後に…



「…ふふふ。お休みなさいベル君。いい夢を。ね…」


“っぽいの”の挨拶に



「「お、お休みなさい…」」


姉妹が続けたため、

それ以上追求することができなくなったベルナールは…



「お、お休みなさい…」


不安と期待を織り交ぜながら

納屋へと向かったのだった…



……

………




『カチャッ…』


ノブを倒すと…



『カタンッ、カタカタ…』


…虫の声と水車の水音しか、しなかった

夜の小屋から小さな物音が…



「っ!」


3人が言っていた”フェタ”や”アニマ”が

音を立てた!?



「すー、はぁー」


…いやいや!「平静に」だ…



「…よし。」


深呼吸をして。

はやる気持ちを押さえたベルナールは



『キィ…』


止めていた腕を伸ばした…



『ズ…』

「…」


すると…



『スス…ズ…』


天井…梁に絡みついていた”藤の木”のような蔓が『ススス…』と玄関に近寄り。 



「わ…、わぁ…」


優しい光を灯してベルナールを迎え入れた。

そして…



『キ、キ、』

『キキキ…』

『……キィ』


昼間。ハーブやドライフラワーが吊るされていた場所には

3対6つの光点と、微かな鳴き声…



「アレは…」


“藤の木”に照らされ

薄っすらと見える”逆さ”のシルエットは…



「…コウモリ?アレもアニマ…?なのかなぁ…」


『キーキー』言いながらベルナールを見つめる黒い影から

瞳を巡らせると…



「…アレ?あの丸いビン…あっちの植物も時計の文字盤も。ひ、光ってる…」


天井を()

藤の木型自動追尾照明魔道具【グリシーヌ】の他にも、

この部屋には面白い住人と、便利でチルい魔道具が溢れていた…



「…」


天井から吊り下がっている蝙蝠(こうもり)

魔女が生み出した人工妖精(アニマ)のひとつ…



「…これが。錬金術師のアトリエ………」


…んふふふふ。

ベルナール君。この部屋の秘密は

こんなものじゃ、ないんだよ…

林檎です。誤字修正しました。

ご迷惑をおかけしました…(2025/07/13 10:25)

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