小豆洗いの過去
『小豆洗いの仕事』と『小豆洗いの喧嘩』の続編です
ギラギラと暑い日の光で、水面がキラキラと映る
川でいつも通りに小豆をザラザラと音を立てながら洗う
あの男は野蛮な男だがどうやら男はそう思ってないらしい
前に喧嘩したときにはあずきをぶちまけられた
きゅうりを置いて逃げるかのように音を立てづ去っていく男の後ろ姿を見ながら、思い出す
あいつと出会ったときのいい思い出を……いや悪い思い出だな
ちょうど、今くらいの日の高さの時にあいつはやってきた
男がまだ十の頃だったか 最初、私の小豆を持ち逃げしようとしたのだ
どうやら、姉の結婚の祝い事で、必要だったらしい
気づいたころには私の小豆が……小豆 怒って包丁を持ちながら寝込みを襲うとしたら、いきなり投げつけてきたんだ小豆色の作務衣を
どうやら悪いと思ったのか明日届けるつもりだったらしい
ほら、野蛮な男だろう あの男は自分の事を粋だと言って譲らないが…… 小豆を洗わなければと手を動かす小豆洗いだったのだった