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SIX AND ONES  作者: 横谷昌資
9/11

月に哭く

ちょっとやそっと日々を過ごしたぐらいじゃ

世界の意味になんて気づけない

穏やかに毎日を生きていく それがどれほど難しいことかも

だけど今ここにある現実は駆け足で闇を行く

思い描いたように学んでいきたかったいろんな日常はどこへ行った


それでもそれなりに今を生きて 楽しいことにも巡り逢ってきて

でも心の中ではいつも あの場所へ戻りたい そう思ってた


いつも見ていた 夢を見ていた

もしもあのとき道を踏み外していなかったら

きっと今頃は もっとあの場所で

思い出をたくさん作って

今を生きていたんじゃないだろうか


それでもそれがあったからこそ今があるのだと

だから今の人生があるのだと そんな風に考えてみたいけど

みんなが一緒にいてくれることに理由を求めてしまった

もしもあの日がなかったとしても 君たちには出会えたのか

だから虚しい


いつも誰かに いつも何かに

ずっと守られて優しさに触れて

笑顔でいられたけど

心の中じゃ 頭の中じゃ

この世の全てが忌々しくて

感謝することも疎ましくて


“誰も助けてはくれない”と 確信したように思ってるくせに

“誰か助けて”と いつだって 矛盾した気持ちを叫び続けて


あのときのことを思い出すだけで胸が苦しくて吐きたくなって

死にたくなる


頼ればきっと応えてくれた

信じてくれたのに

疑うことすら思いつかなかった

信じてくれたのに 信じなかった


降りしきる雨の中、独りでただ泣いていた

涙を誤魔化すのにちょうどいいって

いつの間にかそんな自分に酔い痴れていたのだろう

もう手遅れだ


ちょっとやそっと日々を過ごしたぐらいじゃ

世界の意味になんて気づけない

わかってはいるけれど

それでも例えば

知らなきゃ知らないままでいた方がよかったってことも

必ずある


いつもいつでも甘えてばかりいた

どうすれば慰めてもらえるかってそんなことばかり

助けられて当然だと思ってた

守ってもらって、それが当たり前のように感じてた


見えない幸せを求めて見える幸せを蔑ろにした

大切なものを壊してきた

夢の中でも独りぼっちになった

それでも「今」もみんなが太陽の下にいたことが憎らしい


もっとあの時代を生きていたかった

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