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2番目の恋物語  作者: violet
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忍び寄る陰謀

街に野良犬が増えていた。

それは、王に報告が届くほどの被害がでていた。


その犬達は、狂犬病にかかっており獰猛で人に襲いかかっているのだった。

大掛かりな野犬捕縛が行われたが、全部を捕らえることはできなかった。


ディアランは軍の騎士を隊長にした兵士の隊をいくつも作って、街の巡回を強化した。

ヴィヴィアンヌは王妃が不在の王宮で、侍女達をひきいて街の救護所に薬を届けるなどの慰安をしている。



「毒餌をばらまきます。

街には数日前から知らせを徹底し、人間が手にすることがないように巡回します。

王都から地方で狂犬病が広がると厄介です。

王都で撲滅しなければなりません」

ディアランは王に進言をしていた。

この狂犬病には、何者かの思惑があるにちがいない。今まで狂犬病など報告されてなかったのだから。


「お前はどう思っている?」

王はディアランに確認する。


「狂犬病を恐れて、街では人が外に出ていません。

兵士も犬の駆除に手を取られ、街の警備が手薄になっています。王都の機能が弱体化していると言えるでしょう。

近隣諸国の動向をさらに注視する必要があると思えます」

ディアランも聞いている王も、注視する近隣諸国は一つに絞られている。

ベネッセデア王国、王妃とジェラルディンがすでに3週間も滞在している王妃の実家である。


「野犬を処理した後は、レベックを国境に偵察にいかせます」

王太子の言葉に、その場にいる大臣達が安堵の声をあげる。


「ハーツ侯爵子が行くならば、内密にするべきでしょう」

外務大臣が自分の外遊の随行員として潜伏させると案をだしてきた。

犬の駆除が終わり次第、その案が決行されるとこになった。

他にもいくつかの決定をして、会議は終えた。


王の側近ともいえる大臣達の多くは、開国以来の伝統ある貴族が就いている。

王家に始祖の伝えがあるように、古い血筋の貴族にも伝えがある。

外務大臣もそんな家の一つだ。


ディアランが執務室に戻ると、ヴィヴィアンヌからの差し入れが届いていた。

会議が長引いて、ヴィヴィアンヌと約束した昼の時間に間に合わなかったのだ。だが、ヴィヴィアンヌが置いていったバスケットを手に取ると、中にはチキンと野菜が具材のサンドイッチが入っていた。

「昼食はご一緒にとお伝えしたのですが、慰安に行く時間が決まっていると言われて、バスケットだけお預かりしました」

オーデンがヴィヴィアンヌを引き留めたと言うのを、ディアランはお茶のカップを受け取りながら聞いている。


ヴィヴィアンヌとサリーを乗せた馬車は、警備に守られて王都の救護室に向かっていた。


ワンワン!

犬の群れが飛びだしてくると、警備の騎士達に緊張が走る。

飛び掛かる犬たちを斬りながら、ヴィヴィアンヌの乗った馬車の守りを固めるが、王都の道は他の馬車もいる。

その馬車達も襲ってくる犬から逃げていた。

1台の馬車の馬が犬に嚙まれると、馭者の制御ができずに大きく傾いた。

その馬車は、ヴィヴィアンヌの馬車に倒れ込んで来た。


うわぁ、と巻き込まれた騎士の声があがる。

ガッチャン!

馬車が土煙をあげて倒れた。

全ての犬を斬った騎士達が、馬車の扉を開けるとヴィヴィアンヌの姿はなかった。


ヴィヴィアンヌが誘拐された。

犬は犯人達が仕向けたもので、倒れてきた馬車も一味だったのだろう。

狂犬病が蔓延していることで、犬を駆逐しないと馬車を助ける事が出来ないことを狙われたのだ。


それはすぐに王宮に知らされ、王太子ディアランが王宮から飛び出した。


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