表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

17/41

助っ人

 ガンドルフィ公爵令嬢たちのレベルは、アロイージ王国のご令嬢たちとかわりはない。


 きいたこともないような誹謗中傷を投げかけられることはない。どれもおなじような内容ばかり。


 だから、どの質問や嫌味も笑顔で答えたり受け止めることが出来た。


 質問に関しては、かぎりなくほんとうのことを答えた。ごまかしたり見栄をはったりはしない。ある程度までは伝えた。


 もちろん、伝えられることと伝えられないことがある。伝えられることは、惜しみなく伝えた。


 自分でも最高って思える笑顔を添えて。


 彼女たちは、わたしのそんな態度が気に入らないらしい。 


 とくに公爵令嬢のイライラは、見ていて面白い。


 その内、彼女は取り巻きたちにあたり始めた。


「女のヒステリーって、イヤよね」


 公爵令嬢たちから離れて席につき、スイーツをもくもくと食べている人が言った。


 彼女は、最初からそこでスイーツを食べ続けている。


 だからこそ、ずっと気になっていた。


 いま、彼女は手に持つフォークを振りつつ爽やかな笑顔でいる。


 口の端にクリームがついていることに気がついた。


 彼女は、ガンドルフィ公爵令嬢同様髪と瞳がきれいなブラウンである。公爵令嬢にひけをとらないほどとってもきれい。


 公爵令嬢は派手できつめなきれいさだけど、彼女は地味でやわらかいきれいさね。


 彼女の恰好がドレスではなく乗馬服姿なので、よけいに気になっていた。


 たしか、エルマ・ボルディーガという名前よ。


 公爵令嬢の名がデボラ・ガンドルフィってかろうじて覚えている。だけれども、他の五人のご令嬢の名前は覚えていない。というよりかは、覚える気もないので右から左へ抜けてしまっている。


 でも、彼女だけは覚えている。彼女は、他のご令嬢とは違っているように思えたから。


 もちろん、いい意味でだけど。


「なんですって?」

「デボラ、だってそうでしょう?虐めたい相手が思いどおりの反応を示さなかったからって、癇癪を起しちゃって。みっともないったらないわ」

「侯爵のくせに生意気だわ。一応、今日は声をかけてあげただけよ。めずらしく顔をだしたと思ったら……。なるほどね。弱小国から逃げてきた聖女の力でなにかしようというわけ?」

「デボラ、今日は誘ってくれてありがとう。誘ってくれたことがとってもうれしかったから、参加させてもらったの。参加してほんとうによかったわ。この帝国には聖女はいないけれど、聖女の偉大さはだれもが知っている。そんな人とお近づきになれるなんて、光栄以外のなにものでもないんですもの。これで、わがボルディーガ侯爵家の栄誉は間違いなしね。あっそれと、侯爵のくせにって言うけれど、侯爵はわたしのお父様であってわたしじゃないわ」

「不愉快だわ」


 ガンドルフィ公爵令嬢が立ち上がった。


 彼女は、回れ右したかと思うと顔だけこちらへ向けた。


「ナオ、わたしの誕生日を祝うパーティーに招待してあげるから来なさいよ」


 彼女は、そう言い捨てるとさっさと去ってしまった。


「デボラ様」

「デボラ様っ」


 取り巻きたちが慌てて席を立って追いかける。


 東屋が静かになってしまった。


 いえ、訂正。


 エルマ・ボルディーガの笑い声がきこえてくる。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ