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37.宿場の夜
夕方、無事に宿場に着いたが結界が切れるまで時間がなかっので、俺達は急いで宿に入った。
宿は思ったよりも活気があった。
何でも地下通路が張り巡らせており、温泉や酒場への行き来ができるということだ。
俺達も食堂に向かって、地下通路を歩いていると、犬が放し飼いになっていた。
「あ、わんちゃんだ」
そう言って、ユーコが近づいたが、ユーコは仲間とは認識して貰えず、どこかに行ってしまった。ユーコが珍しく、寂しそうな顔をしていた。
「ほら、ユーコ行くぞ」
俺はユーコの頭をなでて、食堂に向かった。
・・・
食事を堪能した後は、部屋に戻って、ユーコとランケに南極物語の話を聞かせて上げた。
「犬達の生命力に非常に感動しました。」
ランケは泣きながら、そう言った。
しかし、ユーコは何か違った思いをもったらしく、
「タロとジロはすごい。人間恨まなかった。人間許した。私にできるか分からない」
確かに、人はちょっとしたことでも、人を憎み、簡単に絶交したりする。
また人間のもつ恨みはかなりしつこい。結局、お互いに損をするだけなのだが、一生許さないということもある。
ユーコの言ったことは俺の目も開かせてくれた。




