表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

17/180

16.ダンジョン1日目

たいていの人は周囲の人はもちろん、親さえも幸せになどしてあげることはできない。それどころか迷惑をかけるばかりである。


さらに、その結果、本人が幸せになるかというとそんなこともないのだから、迷惑をかけられた側も浮かばれない。


(どうせ周囲に迷惑をかけながら生きているのだから、まずは自分が満足する人生を送ろう。)


仲間が増えて、責任も大きくなった俺は、前世での反省も踏まえて、心を引き締めた。


「開け、ゴマ豆腐!」


俺はダンジョンの扉の前に立って、そう唱えた。

ユーコとゴブリン達がずっこけたように見えたが、


「ゴゴゴゴゴ・・」


すぐに扉が地響きを立てながら開いていった。


「すごい魔素だ・・」


俺にはわからなかったが、ユーコがそう言うと、4頭のゴブリンも頷いた。


「よし、行くぞ」


300年ぶりに開いたダンジョンの中に、俺たちは入っていった。


・・・


魔素が溜まっているとはいえ、ダンジョンの1層目はスライムしか出てこない。


スライムは、あんみつの中に入っている賽の目の寒天のようにつるつるしており、ピョンピョン跳ねて動いている。


俺はパンチで、ユーコは棒切れでスライムを倒し続けた。


「おりゃあ!」


このダンジョンではレベルが自動で上がることはない。


自動でレベルが上がるようなゲームを作る技術がなかったせいだが、とりあえず、ダンジョンの中では、敵を倒すとポイントが溜まり、後で経験値やアイテムに交換できるシステムだ。


また、敵を倒すと、ポーションアイテムとゴールドを落とす。これまた確率で落とすような面倒なことはしなかったため、必ず落とすようになっている。


1層目では、HPを10回復するポーションと1ゴールドを落とす。それを荷物持ちのゴブリンに拾ってもらいながら奥に進んだ。


「ボス、もう持てない」


2時間もしないうちに、袋を一杯にしたゴブリンが俺に言ってきた。


「しょうがない。今日はここまでにしよう」


ダンジョンの中でリュックを開けると、魔素がリュックに入ってしまうので、ダンジョンの中ではリュックは使えない。


俺たちは心地よい疲れを感じながら、ダンジョンの外に出た。


☆今日の収穫☆

ポイント

 リョータ、ユーコ:約1000Pずつ(800P+200P)

 ゴブリン:約200Pずつ

HP10回復ポーション 約200個

ゴールド 約400G


回復ポーションは時々飲みながら戦闘したので、倒した数よりは少なくなっている。

俺とユーコが、それぞれ1時間当たり約100匹のスライムを倒したことになる。

ポイントは戦闘したものが1回につき4ポイント、仲間には1ポイントが入る。


「これは多いのか、少ないのかなぁ」


これがいかにチートか、この時の俺にはわかるはずもなかった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ