12.ダンジョンのある村
遺跡は深い森に囲まれていた。
小道をしばらく歩くと、ようやく平野に出た。
ちょうど、雨が上がった後なのか、虹が見えた。
「おお。 東京で見る虹より、とても幅が広いなぁ、、」
思わず、俺は感嘆の声を上げた。
平野の先の山からもやもやと白く霧がかかり、そこに虹の始まりがあった。
「ほんと地球と変わらないんだなぁ」
人工物はまだあまり見ていないので、分からないが、自然については地球と変わりがなかった。
「ここにも魔物が出る、気をつけろ。」
ユーコの声で現実に戻され、また、周囲を確認しながら歩きだした。
「あそこに見える山の麓がダンジョンのある村。」
一応道はあるのだが、周りに民家のようなものはなく、ときどき、ウサギのような生き物が顔を出したかと思うと、ぴょんぴょんと逃げていくのが見えるだけだった。
・・・
「なんだこれは!」
ようやく村に入った俺は、目の前の光景に驚いた。
「メドゥーサの仕業。」
ユーコがいうには、最初の国のわずかに残った最後の村人たちは、メドゥーサに石化されてしまったということだ。
「じゃあ、村人が復活する可能性もあるのか、、」
「200年以上経ってはいる。生きているどうかわからない。」
石化の呪い解き方は分からないが、いつの日か復活させられる可能性があることがわかって、俺の心が踊った。