11.最初の国 その2
初めての国は俺のゲームがもとであるだけに、本当に小さいもので、町が一つとダンジョンのある村が一つしかない。
「今いる遺跡は、王宮のある町だった。ダンジョンのある村はあっち。ちよっと離れてる。そこも今では遺跡になってる。」
それというのも、ダンジョンにある扉が誰にも開けられないのが原因のようだ。
「ん、俺なら開けられるかも知れないぞ。」
「本当か」
「ああ、ゲームと同じように、呪文で開くように設定されていればだけどね。」
しかし、ダンジョンに行くにしても、装備も何もない。
他の町に行くにしても、お金もない。
「心配ない。私、オークぐらいは棒切れでも倒せる」
ギルドがないので、レベルやステータスはわからないが、ユーコはずっと1人で500年も生活して来たわけだから、強さは折り紙付きだ。
「よし、とりあえずは、ダンジョンに行ってみよう」
・・・・・
地球での生活には悔いはそれほどないが、勉強ばかりでもったいないなかったとはな思う。
アルバイトも家庭教師ばかりやっていたが、もっと色々と経験すればよかったと思う。
サッカーやラグビーのワールドカップも、見に行こうと思えば行けなくはなかったはすだ。
しかし、社会人になってからは、学校時代の仲間と疎遠になってしまい、誘ってくれる人がいなくなってしまったのが痛かった。
他にも、日本では代行が多いが、自分てやっても問題ないことかわ結構ある。
例えば、友だちは自分で車検をとおしていたが、すごいと思うだけで、自分ではやったことがなかった。
一度だけ、事情があって確定申告を自分でやったことがある。その時は面倒くさかったが、なんとなく、自分が大人になったような気がしたものだ。
(取り敢えず、今は働かなくていいのだから、自分で色々やってみよう。)
俺はリュック一つ、夕子は棒切れ一本を持って、ダンジョンのある村に向かった。
読んで頂きありがとうございます。
ここまでがプロローグみたいな感じで、物語はこれから始まりますので、この後も引き続き、お付き合い下さい。