メイザース学園生徒会
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いよいよ第五章の開幕です!
「うふふ……ごきげんよう」
メイザース学園生徒会を待つ俺達の前に現れたのは、俺を“グラハム塔”領域の第二十一階層で置き去りにしたクソ女、“木崎セシル”だった。
そして、そんなクソ女に今にも飛び掛かりそうな藤堂先輩の機先を制し、ス、と自然な流れで先輩の前に一人の女性が身を乗り出した。
「大変お待たせしてしまい、申し訳ありません。私はメイザース学園で生徒会長を務めております、“近衛スミ”と申します」
そう名乗ると、女性は優雅にお辞儀をした。
だけど……これが、メイザース学園の生徒会長、か……。
艶やかな茶色……いや、山吹色のような髪を三つ編みシニヨンにまとめ、ヘーゼルカラーの大きな瞳、通った鼻筋に少し薄めだけど柔らかそうな桜色の唇、スラリとしたスレンダーなスタイル。
うん……間違いなく美人では……っ!?
突然足を踏まれ、思わず声を上げそうになるが……その犯人が少し膨れた表情の先輩であることに気づき、俺は全力で痛みに耐えた。
ですが先輩……別に俺、見とれてたわけじゃないですからね? 本当ですからね?
「……アレイスター学園生徒会、副会長の氷室カズラです。それで、後ろのみなさんもメイザース学園の生徒会、ということでよろしいですか?」
先輩の様子を見かねた氷室先輩が、代表して尋ねる。
「はい。私の右手から順に、副会長の“鷲尾イオリ”、会計の“土御門シキ”、そして書記の“木崎セシル”です」
生徒会長に紹介された三人は、それぞれ会釈する。
ええと、クソ女は置いといて、この眼鏡をかけた黒髪の真面目そうな男子生徒が副会長で、黒髪に桜色のメッシュが入ったオカッパの女子生徒が会計ね。そしてこの会計の人、扇子なんか持って生徒会長より偉そうである。まあ、仕様だから仕方ないんだけど。
「……フン。メイザース学園は、そんなクズを生徒会に加えねばならないほど人材難なのか?」
「「っ!?」」
怒りを一切隠さないまま放った先輩の一言に、氷室先輩とサンドラが目を見開く。
先輩、俺も同意見ですよ。
「ホホ、これは手厳しい。のう、木崎?」
扇子で口元を隠しながら、会計さんはいたずらっぽくクソ女に尋ねる。
だけど、先輩は誰がとは言っていないのに普通にクソ女に尋ねるあたり、うちの学園での一連の出来事を知っているってことか。
「うふふ……まあ、アレイスター学園に在籍していた時から、藤堂生徒会長には嫌われてましたから」
「ああ! 私は貴様をこの場で今すぐ叩き斬りたいほど嫌いだ!」
先輩の放つ殺気に、辺りの空気が震えた。
なのに、無関係であるメイザース学園の三人はともかく、クソ女まで意に介さない態度はどういうことだ?
アレイスター学園にいた頃は、先輩の威圧で身動きすら取れなかったのに……。
「ふふ、アレイスター学園の頃はともかく、木崎さんもメイザース学園のために精一杯頑張っていただいております。どうか、ここは私に免じて矛を収めてはくださいませんか?」
「……ならば、今度から私の視界にその女を入れないようにすることだな」
ここで問答をしても仕方ないと判断した先輩は、とりあえずは向こうの生徒会長の顔を立てることにしたみたいだ。
まあ、このままじゃ話も進まないしな。
「では、みなさんを食堂へご案内いたします」
氷室先輩が一礼してメイザース学園の四人を先導し、その後ろに俺達三人が続いた。
「……ネエ、ひょっとしてあの女ガ……」
「……ああ。俺を嵌めた女だよ」
耳打ちして尋ねるサンドラに、俺は頷く。
するとサンドラは、露骨に怒りの表情を見せながらクソ女の背中を睨みつけた。
……ハア、俺は馬鹿だな。
「フエ!?」
「はは……サンドラ、ありがとう。俺は大丈夫だから、今はメイザース学園との調整に集中しよう」
「モウ……分かりましたワ……」
サンドラの頭を撫でると、サンドラは苦笑しながら表情を和らげた。
まあ、あんなクソ女のことでサンドラの表情を曇らせたりしたくないし、な。
そして、それは先輩も。
「あう!?」
「先輩も、まずは仕事を済ませてしまいましょう」
「……ふふ、そうだな」
良かった……先輩も機嫌を直してくれたみたいだ。
「どうぞ、お入りください」
食堂に着くと、氷室先輩が席に案内し、窓側の席にメイザース学園の四人を座らせ、その対面に俺達が着席する。
「ホホ、よろしくの」
「はは、よろしくお願いします」
俺の正面に座る会計の土御門さんと和やかに挨拶を交わす。
そしてこの土御門さんこそ、イレギュラーなクソ女を除けば、『ガイスト×レブナント』のヒロイン候補の一人である。
のじゃ口調と扇子が特徴的なキャラなうえ、使役する精霊もかなり特殊だったりする。
さて……その性格なんかは『攻略サイト』通りだったらいいんだけど、な。
なにせ、クソ女の例もあるし、悠木から聞いたあの話もあるから、『攻略サイト』を鵜呑みにできない。
そうしてお互いがお互いの様子を窺う中、アレイスター学園とメイザース学園による一回目の打ち合わせが始まった。
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次回は明日の朝更新!
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