エンジニア少女の恋は入道雲を超えて
第二回小説家になろう大賞に向けた作品を
書こうと励むもなかなかイメージがわかず
それでも頑張って書いた作品です。
評価ポイントくださいw
舞台は人間、獣人、魔族、あらゆる種族が混在する世界。
「俺、キルコが好きだ!」
「――ミハネル?」
地上で暮らす人間の少女・キルコ13才は、天使の少年・ミハネルと兄妹同然に育った。
ある日ミハネルから愛の告白を受けるも、キルコは戸惑いのあまりミハネルを避けるようになってしまう。
しばらくして、気持ちの整理がついたキルコは、ミハネルに思いを伝える覚悟を固める。ミハネルの暮らすトロンじいさんの家を訪ねた。
「トロン爺! ミハネル、ミハネルはどこにいるの」
「ミハネルなら……帰ったよ」
「え……帰った?」
キルコはトロンじいさんからいくつかの真実を聞かされる。
「ミハネルは天界の貴族の血を引いている。外の世界の見識を深めるため、13歳になるまで下界で育てられるのがしきたりなのだ」
ミハネルは空の果てにある天界へと帰ってしまった、――キルコの返事を聞く前に。
――2年後。
都のエンジニアに弟子入りしたキルコ15才は空飛ぶ船『エアシップ』の開発に力を入れていた。
「どうですか親方、会心の出来でしょ?」
「んん、これなら天界にもたどり着けるだろう」
天界は地上から1万メートルを超える入道雲の中にあり、中では年中雷が渦巻いている。決して人間がたどり着けるような場所ではない。
キルコは機械工学を学び、その天候を超えうるエアシップを完成させたのだ。
「しかし、何をそんなに急ぐ必要があるんだ。お前はまだ若いというのに……」
「だって、いつまでも待たせるわけには来ませんよ。彼の気が変わらないうちに会いに行きたいんです」
長い月日をかけて完成させたエアシップで、キルコは大空への大冒険に旅立つ。
あの日伝えられなかった思いを届けるために――。