異世界生活する為の確認事項
外に出てみると、確かに景色は聖桜市だ。
念のため、正門から入ると生徒や他教師がちらほらいた。裏門から入れば、異世界。
確かめた後、気になる事が出て来た。
「咲耶、ここはオレと麗漓先生は問題なく通れるとしても、他の生徒や先生は大丈夫なのか?」
「はい。他の方には見える事も通れる事ありません。天照様と私が承認しない限りは大丈夫です」
天照と木花咲耶が承認しない限りは問題ない。
この二人?二柱?は、異世界に移住しろということだろうか。
とりあえず、皆守、円を呼んでこよう。
要は麗漓に会釈して、呼びに行った。
麗漓も気になることがあるようだ。
天照に気になる事を問い質すことにした。
「で、天照。幾つか質問いいかしら?」
「ふむ。なんじゃ?」
「回りくどいのは好きじゃないから、はっきり言うわ。天照、あたしと要に向こうで生活させる気なんじゃないの?」
「気づいておったのかの?」
「当たり前よ。あたしを誰だと思ってんのよ。要も薄々は気づいてると思うけどね」
異世界生活をさせるつもりだったようだ。
麗漓も要も家族がおり、子供も少なからずいる。
すぐには無理だろう。待ってもらうしかない。
「異世界生活とは言うけどさ、生活するにしてもそもそもどんなところよ」
「そうじゃのう。端的に言えばじゃ、げぇむ?というのがあるじゃろう。主の双子娘がやっとったやつみちいな冒険したり闘ったり、魔法とかのというやつじゃ」
「おもいっきりファンタジー世界みたいね、まったく。で、次の質問。学園内で何かを作った、建てたとかしたら、うちらの世界側の学園内に影響はある?」
これは、聞かなくちゃいけないことだ。
生活するとなると学園内に、母家もしくは長屋みたいな小屋などを建てる必要もあるだろう。知識はないが最低でも三家族分は必要になるだろう。
校舎はあくまでも校舎であり学び舎。住むには適さない。建てたとして、麗漓たちの世界の学園内にも影響、つまりリンクしているという事だ。
「影響はないぞい。裏門からの扉はの、文字通り『扉』じゃ。二つの世界を行き来する為の扉じゃの。敷地ごと転移したんじゃ。異世界の聖桜学園ということになる」
「影響ないなら構わないわ。生活すると決めたら、扉を閉じると考えて良いわけね」
「そうなるの。扉は閉じてもわしらは同行するがの」
扉を閉じても、同行はしてくれるようだ。
生活するにしても、仕事は大事だ。学園自体あるのだ。ファンタジー世界でもやっていける気がする。
魔法に関しては教師を雇えばいい。剣術に関しても麗漓たちがいる。