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今日も深海に潜る
陽が沈むとき私も沈んでく
暗くて深い 冷たい海の底へ
呼吸は泡になって
誰にも知られず ぷかりぷかぷか浮かんでく
真白に溶けたあのさざなみも
私が沈むことを知らないで
さらさらの砂を
二枚貝の片割れを
生まれたばかりの生命を
奪い去っていく
欲しがりな青い海は
きっとこの世の全てを手に入れるまで
波打つことをやめないだろう
私はまだまだ沈んでく
下にあるのは黒いせかい
白い泡を浮かばせながら沈ませて
いつしか上の青も見えなくなって
遠い遠い赤色も見えなくなるの
水の冷たさが私を溶かす
そのまま私は目を開ける
耳を澄ます
なにも見えない なにも聞こえない
それでも私は沈んでく
まだ見たことのない明日に
おはようの言葉を言うために
また一からやり直すために
今夜も海底とキスをする