プロローグ 『異世界召喚』
今俺の視界に映し出されているのは、中世時代のような石とレンガ造りの建物やアニメに出てくる様な
変わった種族達、澄み渡る空や水路を流れる綺麗な水たち。
「ここは、一体どこなんだ」
俺の記憶が正しければ、さっきまで畑や田んぼなど自然あふれる田舎町にいたはずだ。
だが目の前に見えるのは中世ファンタジー・・・なるほど。
「異世界か、ファンタジーなのか?あ、もしかして勇者召喚ってやつですか!?」
なるほど、それなら俺がいた場所がいきなり変化するってのにも頷ける。
異世界召喚か、だとしたら可愛い女の娘とか、お姉さん系のグラマラスな召喚術者が俺を待っているはず
なんだ・・・が。
「どこですかね、俺を勇者として召喚した可愛い娘は!?」
見渡す限り、それらしい人物はいない。それどころか声を出して叫んでしまったせいか、周囲からの目線が痛い。
と、そんなことはどうでもいい、さっきから妙に肩のあたりに違和感がある。
「旅のお方、聞こえてますか?」
声のする方に振り返ってみると大柄どスラっとした男二人が目の前にいた。
ふむ、体格といい着ている服の格好からしてこの世界の警察みたいなところか。
いや、だがそれなら何故俺に話しかける。まさか召喚主が俺を探してこの人達を派遣してくれたのか?
「おい坊主、聞こえてんのか?」
おっと、せっかく派遣してきてくれた方々を待たせるわけにはいかないな!!
「あぁ、それじゃあ行きましょうか」
俺がそういいながら、とびっきりの営業スマイルで返答すると
警察と思われる男性二人は顔を見合わせた後、俺を彼らが乗ってきたと思われる馬車に乗せた。