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萌えとはパブロフの犬。

 たとえば「妹萌え」というのはどういうものか考えてみる。

 前話で触れた「こんな境遇や社会が嫌だ!」→異世界へ と同様、「こんな妹がいたらいいのに!」という願望があったとしよう。

 「萌え」として明確に表出する前の時点では、その願望は、抱いた当人には無意識だ。


 ある作品を見たとしよう(実際に起きた出来事でもいい)。

 「こんな妹がいたらいいのに!」という願望を満たし、癒してくれる作品・出来事だ。

 願望を満たされると、その人の中で何が起こるか。


 一般的に「パブロフの犬」として知られる実験がある。パブロフさんは犬の唾液の分泌量を測定できるようにした。次にベルを鳴らしてからエサを与える実験を繰り返した。その結果、犬はエサを与えられなくても、ベルの音を聞いただけで唾液を出すようになった、というもの。


 内なる願望を満たされたその人は、その作品による「良い経験」がインプットされる。

 快楽経験だ。

 そして以前見た作品とは違う作品で、再び願望を満たされる。これを繰り返していくうち、どこかの時点で自らの願望を感じ取り、嗜好として表出する。


 そのうち「妹」という単語あるいはキャッチフレーズに、「自分はまた満たされる」という心理が働く。

 「妹」の単語に盛り上がれる。期待してしまう。

 過去にインプットされた快楽経験によって、勝手に想像し、ありていにいえば興奮できてしまう。


 それが自分だけでなく、同じ嗜好を持つ者同士で語り合えるようになると、それぞれの快楽経験を共有し刺激しあえるため、さらに幸せというか、興奮の領域に入る(いわゆる同好の士ができた状態)。

 ざっくばらんに言ったけれど、これがたぶん、単語だけで「萌え」という集団現象が起きる仕組みだと思っている。


 条件反射の末、一種の刷り込みレベルまで浸透した状態とも言える。

 同じ経路をたどったことのない人、関係ない人が見れば異様に見えるというか、理解できないだろう。

 さらに元々抱いていた願望は、時代や社会背景(教育や家庭環境、男女間の恋愛や価値観の違いなど)に根差していると思うので、年齢の離れた人が理解するのはさらに困難になるのではないか。


 年の離れた人も、その人たちなりの「萌え」はあると思う。けれど叶える機構が違うために、根底の部分で理解し合うのは難しい。

 枝葉末節である集団萌え現象を見て、理解するのは更に難しい。


 ……これのどこが作品作りの修行かといえば、人気要素を「読者の萌え=嗜好」とした時、どう扱っていくかという話になる。

 読者が求めている萌えが、書き手の中にないのに、書き手が作品に入れようとしても、『同じ経路をたどったことのない人、関係ない人が見れば異様に見えるというか、理解できないだろう。』という理由から、結局齟齬が生じるという事。

 もし人気の後追いで要素を入れ込んでいるだけなら、意味がないという事。

 逆に、書き手の中にある萌えを、書き手のオリジナリティ(過去の経験による、書き手独自の物の見方や考え方。時代や環境に対して思ったこと)を駆使して書いていくのが良いという事。


 人気要素が自分の心や記憶の中に萌えとしてあるか、あるならどう転がして自分なりに加工するか。

 そこまで考えると、作品内の強力な魅力になる。

この「萌え」とテンプレートを絡めて次考えていきたいなー、と


※追記※

絡めて述べても自分に利がないので、やはりやめようと思います。


 テンプレは、作者・読者双方が妙な流れを作ってるのでは、と思います。

 作者側が、いわゆる「テンプレ」の好まれる部分を抽出して、自分の愛というか独創力でアレンジを加えれば、すでにそれはテンプレではなくなります。

 少なくとも、そう書く人は、最初から「テンプレ」というものを外していこうと考えるはずなので(少なくとも小説家になろう内でしか通用しない様式や、なろう内の限られた読者にしか受けないモノは外すでしょう)、ここに書く意味はないと、私は思いました。

 一回練習で、テンプレで書いてみたい気もしますが。

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