文章の第二条件
だいたい二倍。
PCで書いた文を携帯から見た行数のこと。確かにこれは見づらい。
改行が自然と多くなるのもうなずける。
別の投稿文で、フォント調整で解決できると言ったことがあるが、それは小説の話。
携帯でも見た目、五~六行ほどが見返しやすい。
エッセイでは気を付けよう。
具体的には、前話の最後に書いた通り、読みやすく分かりやすく。
つまりは削れるところを徹底的に削る。
あと一話分を少し短くする。
第一話目では、表現とか物語る以前に、
読む人に読みやすい分かりやすいを感じさせること。
とした。
そのために短文化すること、平易な言葉の推奨をした。
短文化といっても、ただ短くすればいいのではない。
要は主語と述語、その他の情報が読者にはっきりと伝わる文量で書くということ。
ことさら難しい言葉は使わず、よく使う言葉で効果的に伝わるよう考えること。
特に後者は、表現を思いつくためのきっかけになりうる。
読み手が文章の読解に神経を使わせないよう書くこと。
そのために「誰が、何が、どうしたか」をはっきりわかるよう書く。
修飾語はかかる言葉の直前に書く。句点の位置は意味の切れ目に打つ。
以上は小説の本ではなく、一般的な文章力の本に書いてあったことだ。
しかしこういったことを意識するだけで、妙な文を書くことは避けられる。
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『文章のコツ、人にわからせるように書く秘訣は、言葉や文字で表現できることとできないことの限界を知り、その限界内にとどまることが第一である』
谷崎潤一郎氏はこのように述べていた。また、文章の第一条件として「分からせるように書くこと」、第二の条件として、『長く記憶させるように書くこと』とし、その場で感銘を与える口頭表現との大きな違いと述べている。
困ったことに、氏は具体的にどうすればよいかについては、「個人の感覚に深く関わってくるので、学問や理論よりカンが第一だよ」としている。
感覚を研ぐためには、できるだけ多くの物を、繰り返し読みなさいとしている。
ここで止まっては、初心者の時に読んだ要点と大差ない。
同氏が強いて挙げる名文は、「長く記憶に止まるような深い印象を与えるもの」「何度も繰り返し読むほど滋味のでるもの」である。
また、文字の体裁、字面が重大な要素とし、記憶させるように書くには字面の美と音調の美を使い、理解を補えとしている。
要するに、漢字と仮名の比率を、物語の雰囲気に合わせて調整し、一文単位ではリズムで覚えさせろ、ということだろう。
同氏は目や耳からの感覚的な快さ(特に耳に訴える効果が足りないとしている)が理解を助ける、としているので、読者の五感を揺さぶるように書け、が結論となる。