表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/8

Album

ある日、リンダは家で部屋の片付けをしていた。

小学生のときの教科書やノートを一ヶ所にまとめ、大きな紙袋に突っ込む。

すると、表面ががらがらになった本棚の奥に分厚い辞書のようなものが何冊かあるのが見えた。気になって引っ張り出してみると、それは古いアルバムのようだった。


開いて数ページめくったところで、リンダの動きは止まった。


幼少期のリンダの写真が収められたアルバムに、なんとメリーと一緒にいる写真が何枚もあったのだ。しかも、夢の中で見たお花畑で遊んでいる様子が写っている。


(どういうこと…!?)

すぐにリンダは母親のところに行き、写真の少女について尋ねた。

すると、返ってきた答えにリンダは驚いた。


「あら、覚えてないの?昔近くに住んでたじゃない、メリーちゃん。あの子のお屋敷のお庭であんたよく遊んでたわよ。毎日ずっと遊んでてすごく仲良かったのに」

「え…」

待ってくれ。どういうことだ。

「え、でも今はいないのよね…?どこに行ったの?」

「あー… 確かその後、引っ越したのね。もともと喘息持ちだったみたいで症状が悪化したからもっと空気のいいところに休養にいくとか言ってなかったかしらねぇ」

…そういうことだったのか。

「でも、突然どうしたの?」

「実はこの子、最近よく夢で会ってて毎日夢の中で遊んでたの…」




リンダの母親はその後すぐ昔の電話帳を探してくれて、メリーの家に電話をかけてくれた。その間、リンダはスモーキーを抱き上げ、ひざの上に置いて背中を撫でたりしていた。


電話が終わり、戻ってきた母親は暗い顔で言った。

「メリーちゃん、3年前にお亡くなりになったんですって。死ぬ前、あなたに会いたいって言ってたそうよ」



それからリンダはすべて思い出した。

幼い頃、彼女と遊んだ思い出のすべてがよみがえってきた。


そうしてリンダは思ったのだ、あの子に会わねば、と。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ