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Who are you?
遠くから声が聞こえる。
「おーい、リンダ!」
突然、名前を呼ばれたリンダは驚く。誰かいるのだろうか。
「こっちよ!私よ!」
辺りを見回すと、遠くに手を振りながら叫ぶ少女が一人、立っている。しかし彼女は私の知り合いではない。
それでも彼女と私以外、周囲に人の姿は見られない。
とにかく、近寄ってみることにした。
リンダは、先ほどよりもだいぶ近づいた距離から、見知らぬ少女に尋ねた。
「あなたはいったい誰なの?どうして名前を知っているの?」
すると、驚いたような表情で少女は答えた。
「あらリンダ、あなた私のこと忘れているの!?私メリーよ!」
「忘れるも何も、メリーさん。私あなたを知らないわ」
「ああ…なんてことなの」
急に、顔を青ざめさせてメリーはがっかりする。しかし、リンダには何が起こっているのか全く分からない。
人違いだろうか。いや、人違いなのだろう。私はこの、目の前で落胆しているメリーという名前の少女を知らないのだから。しかし、そのことを正直に申し上げては余計に動転してしまうのではないか。
迷った結果、話の流れを変えるためにある疑問をぶつけてみることにした。