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6話

視点が主人公視点から変わっています。

「ふぅ、そろそろかな」

 この世に生を受けて恐らくは七年。ただし見た目は二十代後半を意識した風貌。そして年齢も本来なら十四、五。

 隠れ家にしようと決めてからはや七年も経つこの教会で、わたしは色々な準備をしていた。

 七年前から自分という存在の研究を続け、やっと一つの答えに至った。

 自分がサンタクロースや、ヘラルーケと同列でありながら、どちらでもない理由。自分が何をする存在なのか。

 その全てに自分なりの答えを見出した。

「わたしはサンタクロースとヘラルーケの中間」

 サンタと同じ力を持ち、けれどサンタとは違い彼らが幸運と呼ぶそれをヘラルーケのように、肉体に傷をつけることなく抜き取ることが出来る上に、どちらもが中途半端な形でしか持ち得ない力を完全な形で持っている。とはいえ二種の完全な上位互換ということもなく、二種とは違い寿命はわたしが『本体』から落とされたときに残っていた分だけ。だから正直そんなに長く生きていられるわけじゃない。

 そんなわたしは正義であり悪であり、盾であり矛である。

 そんな矛盾した存在。

「わたしは今日ここに宣言します。世界のバランスを保つ存在であることを」

 わたしの名前は影宮落葉。

 わたしはバランサー。

というわけで、6話でした。

至らぬ点が多々あるとは思いますが、少しでも楽しんでいただけていれば幸いです。

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