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【金庫破り】

作者: ねずみ

僕のパパは事業に成功し、豪邸を建てた。


それが2年前、パパは難病になり、多額の治療費がかかった。

結局、治らず、でっかい金庫と、しょぼいPCと、200万近い借金を残し、この世を去った。

死に際、遺書を書いたようだ、金庫の中には何も入っていないとだけ書いてあり金庫の開け方はしるされておらず、開かずの金庫になった。


月数百万稼いでいた父だが、その子どもも数百万稼げるか、と言ったら、稼げるわけがない。逆に浪費癖があり、浪費癖が抜ける頃には570万円と借金が膨らんでしまっていた。


心を入れ変え、仕事へ行き、帰ってきて、少し休んで、バイトへ行く。と言う生活をしていた。唯一の楽しみは休憩してるときにやる、チャットくらいだ。


使い勝手が悪い古いPCをつけると、いつものみんなが待っていてくれる。

A『遅かったね』

B『○○くん、お疲れ〜』


ここでは女も、男も、金持ちも、貧乏も関係なく、喋って、笑って、泣く。


疲れてたのか、ポロっと『借金あって大変なんだ…』って弱音をはいたら

A『誰でも、借金くらいあるから気を楽に』

B『○○くんなら返せますよ♪』

とか言ってくれ、泣きそうになった。


正直なところ、寝たきりのママを置いてか、連れてか、夜逃げか、自殺か、と、考えていたのがバカみたいになる。



A『昔撮った恥ずかしい写真出てきちゃってさ〜』

と、言うので。見たい、見たい。って言ったら送ってくれることになった。


少し躊躇はしたがAとは仲が良いし、ま、いっか。と住所を教えた。

それからAは姿を見せなくなった。

何か、悪いこといっちゃったかな、無理なこといっちゃったかな。とか思ってた月曜日。

寝たきりのママから電話がかかってきた『誰かいる、早く来て。』って、ビックリして『母の1大事なので!』と上司に早退をつげ、自宅に急いだ。

警察に連絡した方がいいかとか考えたけど、走っていたらうちについた。

真っ先にママのところに駆けつけたら、なんとか無事みたいで、それから家の中を確認した。

なぜか2階の和室の窓が開いていて風が入っていた。

なんだ、この音か、と思った。


何もないけど念のため…と自室を確認したらPCに『君にプレゼントさ♪』と言うメッセージが出ていて『ジッジジッジ♪ジッジジッジ♪』と言う音楽も違和感は感じるが流れていた。


なんの事か判らない僕はあっけにとられていると、ディスプレイの黒い部分に写った何かの開いた扉が見えた。


あれっ。


そう、開け方の判らない開かずの金庫が開いているのだ。

中には【これが秘密のデータさ、A。】と書かれた紙と札束とPCが置かれていた。

『ジッジジッジ♪ジッジジッジ♪』と言う音楽はこのPCから流れていたようだ。


PCのマウスを動かすと音楽が止まり、この金庫は面白かった。

この金は開けさせてもらった報酬さ。


と、出て、何かのウィルスに感染したようで虫食いみたいに文字と映像が消えPCは死んだ。


この世には救いの神がいるのだと、心から…と、言うか、救ってくれる仲間がいるんだって思った。end


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