約束
1週間後、教室。
俺はいつも通り寝癖そのままの状態で、本を読んでいた。今日も後ろから賑やかな声が聞こえてくる。
「恋晴さんおはよー」
「おはよー!」
彼女は笑顔でそう答える。「まさか井上さんがハルだとは」1週間経っても状況がまだ飲み込めていない。
学校では誰にでも笑顔で優しく接しているが、俺とゲームをするときは、
「何してんの!早くカバーきてよ!」
と、俺とゲームをやっている時は相変わらずだった。まさかハルが井上さんなんてねー、なんてことを考えていると、
「今日は午後から職員会議が入っていてな、午前授業だ。帰りは早いがくれぐれも万引きなんてすんじゃねーぞ。これで朝のHR終わるぞ」
そう言って担任は教室から出て行く。
「防犯カメラがどこにでもある今の時代で万引きなんてする奴いるのか?」と心の中で思っているとポケットのスマホが震える。
メッセージに表示された名前は「井上恋晴」
そういえばあの時連絡先交換したんだったなと思いメッセージアプリを開くと
井上恋晴:ユウ[緊急クエスト]今朝帰ってきた数学
の小テストが4点だった
井上恋晴:やばいよ!中間テストももう直ぐある
し、このままだとゲーム没収されちゃう
井上恋晴:ユウ、あんた頭いいんでしょ!今日の
放課後勉強教えてよ!
井上さんの方を見ると小テストとにらめっこしていた。どうやら相当まずいよう。そんな様子を見て断れる訳もなく
石山優樹:いいよ。場所はどうする?
石山優樹:俺の家親いないけど
井上恋晴:どこでもいいよ!そんなことよりほん
とにどーしよー
そんな訳で井上さんと放課後に勉強することが決まった。
「こんなラブコメみたいな展開ほんとにあるんだなー」なんてことを思いながらこの後の展開を色々妄想するのであった。
井上恋晴:ユウそのにやけ面ちょっとキモイよ
そんなハルからのメッセージにも気づかずに。




