その7
チャイナドレスの女性が合計点19。
侍姿の男性も合計点が19。
アラブ人の男性が合計点が23。
俺がQとJで合計点は?。
カジノディーラーがAとK点札だった。
「うん?!」
「うーんと……何が起きたの?」
「みんなの負けじゃ……」
黒木じいちゃんが、あまりよく知らない俺と佐藤のために説明してくれた。
「Aは1点か11点に数えられていて、10・J・Q・Kは全て10点に数えられるから。だから、カジノディーラーさんが揃えたカードは、AとKで、11足す10で最初から21が完成している、これをブラックジャックといって、勝ちのカードなんじゃ」
聳え立つ500万ドルのチップの山と周りのレイアウトの人達のチップが、カジノディーラーに集まって行く。
辺りの静寂の中で、カジノディーラーがほんのちょっと、心配そうな顔を俺に向けた。
「まだ、勝負は着いていないぜ!!」
レイアウトが盛り上がり、冷めたテーブルが一斉に熱くなった。
俺はそこで、また500万ドルチップを賭けることにした。
「いかーん! 最後の勝負には熱くなってはいけないんじゃ!」
黒木じいちゃんが叫んだ。




