今回のテーマは『エロイ広告は見たく無い』でレッツシンク
(* ̄∇ ̄)ノ 奇才ノマが極論を述べる。
今回はアダルト広告関連のエッセイを読んで考察したものをつらつらと。
m(*_ _)m アダルト広告についてのエッセイを書かれた方々、考察の機会をいただきましてありがとうございます。
YO! HO! ラガマッシュ!
DJノマの、極論イグニッション、はーじまーるよー。
えー、この極論イグニッションではいただいたテーマをDJノマが考察し、こんな見方もあるよー、と提示することで違う視点からの問題解決方法を探ってもらおうかなという、あまり人生の役に立たない相談コーナーとなっております。
では、さっそくいただいたお便りのテーマから行ってみよう。
『エロイ広告は見たくない』
お、おう、潔癖さんかな?
『無料で見られる小説投稿サイトを愛用しているのですが、流れてくるエロイ広告にイラッとします』
なるほど。まあ、その気持ちはチョイと分かる。だがエロイ広告と経済とは切っても切れない深い仲だ。コイツは実は厄介な問題だ。
人類が産み出した経済のいくつかある欠陥のひとつでもある。
さてこのノマは、かつて長編小説を連載していたときには感想欄で、
「作者はエロス」
「この小説の作者は変態描写に命をかけている」
とお褒めの言葉をいただいたもの。ならばこのノマが、HENTAI守護者としてエロとHENTAIを擁護するために弁を尽くさねばなるまいて。
先ずはエロとHENTAIの持つ力についてを改めて述べようか。
■世界の性犯罪とポルノ規制
先ずは各国の性犯罪発生率。
OECD Factbook より2005年のデータ。2005年とチョイと古いが参考になる。日本はOECDの中では犯罪が少ない方だな。
ただ、こういうデータは見るときには注意が必要だ。というのも国ごとに犯罪の定義が異なるからになる。
例えばドイツではサウナは男女混浴が当たり前というお国柄であったり。ドイツで異性の裸が見たいならサウナに行け、となるので覗きといった性犯罪は少なくなるだろう。
また旧ソビエト連邦のキルギス共和国では誘拐婚が地域の文化として根付いている。そのために結婚の為の誘拐は警察も司法も慣例として黙認するので、犯罪として扱われない、なんてことも。
で、日本はOECD平均よりも犯罪率は低いわけだが、どういうわけか国連からはアニメを規制しろ、なんて勧告されたりする。
国連の女子差別撤廃委員会の報告書では、
「日本ではポルノ、ビデオゲーム、漫画、アニメなどが、女性や少女への性的暴力を推進している」
と、指摘する。
国連特別報告者は日本のことを、
「バーチャルな子供を性的搾取する表現の主要製造国」
と呼んだりとか。
アニメが性犯罪を助長するなら、アニメ大国日本は世界一の性犯罪大国になってると思うんだが。
エロに緩いと言われる日本の性犯罪発生率は、世界の中でも低い方なんじゃないの?
ポルノ規制の例としてはスウェーデン。
スウェーデンでは1999年に児童ポルノ単純所持が違法になる。この1999年のときスウェーデンの強姦件数は約2000件。
ポルノ規制が強化されると共に被害件数が増加して、2010年には約6500件と3倍以上にまで増える。約10年でえらい増え方してるな。
アダルトコンテンツを規制すると性犯罪が増える一例、となるだろうか。
ちょいと補足しとくと、スウェーデンでは強姦の定義の変化が強姦件数の増加に繋がってもいるので、ポルノ規制の強化以外の要因もある。
反対の事例としては、オックスフォード大学の研究におもしろい研究データがある。
アダルト娯楽施設(ストリップクラブとかアダルトショップとかエスコート・サービスとか)の存在が性犯罪を減らしていることを示唆する研究結果だ。
アメリカ、ニューヨーク市における犯罪情報をもとに、2004年1月1日から2012年6月29日までの期間を調査した結果。
アダルト娯楽施設は、2004年に76店舗あったものが2012年までに約280店舗と大幅に増加。大人気だよ、ニューヨークでいったい何が起きた?
で、このデータを地区毎に合わせてみると、アダルト娯楽施設開店から1週間後には、その地区における性犯罪が13%減少する結果となったという。
まあ、こういうのはもともとその地域が性犯罪が少なくてその結果にエロに緩くなったのか。
性犯罪が多すぎて取り締まりきれないから、とりあえず目につくところを規制して対応しているという体裁を保とうというのか。
実態と目的の因果関係がズレてるケースもあるんだろうな。
話を戻してざっと纏めると、
①エロの規制が厳しい国は性犯罪の発生率が高い
②エロに緩い国は性犯罪の発生率が低い
という傾向が人の社会にあるわけだ。ここから社会には二つの方向性がある。
『アダルトコンテンツは人目に触れないように厳しく規制するべきだ。そのために性犯罪が増加するのは仕方無い』
『性犯罪の発生率を抑えるためにはアダルトコンテンツに対してある程度の寛容さが必要だ』
この二つの内どちらを選ぶか、になる。日本は民主主義の政治なので国民の多数派が選ぶ政策を行うことになる。好きな方を選べばいい。
まあ世の中には、
③エロに対して規制を厳しくすれば性犯罪は減少する
なんてことを盲信してる人もいたりする。だが、残念ながらアダルトコンテンツの規制を厳しくしながら性犯罪発生率を下げる手法を、人類は未だに発明できてはいない。
このあたりはアダルトコンテンツへの規制が厳しい社会主義国家がどうなっていったか、という歴史を調べてもらえば分かると思う。
ここでマンガ『外道ハンターX』(著者:小野寺浩二)から、異常性欲者と戦う仮面のヒーローの名セリフを紹介しよう。
「なにが健全な精神は健全な肉体に宿るだ。レイプ事件起こすやつはたいてい体育会系じゃねえか」
「ぶっこいてすっきりすりゃあ犯罪なんぞ起こす気にならん!!」
■麻薬中毒者を減らすHENTAI
中南米、メキシコからチリにかけてのラテンアメリカ。コカインの生産量が世界一と言われるコロンビアを含み、麻薬密売が活発な地域。
これらの地域で若者の麻薬離れが起きているという。
アニメの普及が進んだことで麻薬中毒者を辞めてアニメ中毒者になる若者が増えているとか。
麻薬を1本買う金でサブスクリプションでアニメが半年は見放題になるので、入り口としてコストが安い。
しかしアニメにハマるとアニメグッズを購入したり、聖地巡礼に日本に旅行に行ったりと麻薬にお金を使わなくなる。
「マリファナなんてやめてプリキュアを見ろ。プリキュアはいいぞ、飛べるぞ」
「ヘロインよりもヒロインの方がいいぜ」
「ダウナー系はエヴァンゲリオンで決まりだ」
「ハルヒだ、ハルヒを見てハルヒダンスを踊れば脳にキマるぜ」
「HAHAHA、お前らはお子ちゃまだなあ。俺はアダルトに、お兄ちゃんはおしまい、をキメるぜ」
日本発のアニメコンテンツ、HENTAIコンテンツが現地で麻薬中毒者を減少させているのだ。
メキシコでは麻薬市場の顧客を減らすアニメ市場に対して、頭に来た麻薬組織がアニメショップを焼き討ちしたという話も。
もっとも中南米ではアニメやゲームの違法コピーなどの販売で利益を得るマフィアもいるので、麻薬を資金源とするマフィアと、アニメ、ゲームの海賊版を資金源とするマフィアの抗争かもしれない。
こうなると日本でも『月曜日のたわわ』『温泉むすめ』といったコンテンツの炎上も、もしかしたら日本で麻薬市場を作りたい勢力の攻撃かもしれない。
日本国内で麻薬を合法化する。コンビニやドラッグストアで大麻やLSDを販売し、酒やタバコのように『大麻税』や『LSD税』といった新しい税制度を導入する。
新たな市場の利益と利権を作ろうとする政治家や団体や組織のロビー活動、というと陰謀論ぽいか。
■ビジネスのはじまり
オマキザル。哺乳綱霊長目に分類される小柄な猿。
このオマキザルに貨幣を与えるとどうなるか? という実験がある。金属の小さな円盤(トークン)を猿に与えて貨幣という概念を教えてみようというもの。
オマキザルがトークンを差し出せばブドウやキュウリと交換する。お金で食べ物を買える、という概念をオマキザルに教える。するとどうなるか?
トークンの価値を理解したオマキザルは、バーゲンセールも理解してバーゲン開始を列に並んで待ったり。相場の変動も理解して買い物をしたり。またニセのトークンを作りニセ金で稼ごうとしたり。トークンを盗んだり盗まれたりと争いが増えたり。
オマキザルは人類の貨幣経済と同じ行動をした。
やがてオマキザルはトークンの新たな使い方を発明する。
オスの猿がメスの猿にそっとトークンを差し出したのだ。そして受け取ったメスの猿は……、
オマキザルに売春というビジネスが誕生した瞬間である。
貨幣の概念が根付けば、人間に限らず猿も売春のやり方に気づいて実行する。ここから人類最初のビジネスとはやはり売春だったのだろう、と考えられる。
人類のビジネスとは売春から始まり、人類の経済とはエロと共に発展してきた。もはやエロと経済とは切っても切れない間柄、と言っても過言では無いのだ。
■広告ビジネス
ゆえに広告からエロを排除するのは不可能、などと言うつもりは無い。現在不可能だからと言って未来では不可能とは決まってはいない。
人が空を飛ぶのは不可能だ、と誰もが思い込んでいたら人類は飛行機を発明していない。
なのでノマとしては『エロイ広告は見たく無い』という情熱は応援したい。がんばれ。
では具体的にエロイ広告が視界に入らないようにするにはどうすればいいか?
それはエロイ広告が見たくない、という人が起業すればいい。
無料で使える小説投稿サイトを運営する会社を立ち上げる。その際に広告に頼らないビジネスモデルを開発すればいい。広告無しで会社をひとつ運営するのだ。そして、
「え? 未だに広告費に頼って経営してるんですかー? ぷぷっ、おっくれってるーww」
という新たなビジネスの形態を発明し実行できれば、人類の経済は欠陥のひとつを改善し一段階進歩する。これはノーベル賞ものだ。
これが可能となればテレビやラジオからも広告は無くなる。
広告費目当てのフェイクニュース、炎上商法、迷惑系配信者、といった反社会的なビジネスを利益率の低い時代遅れのものにしてしまえる。
また広告に見せかけた政治工作も抑えることに繋がるだろう。
2023年、EUは虚偽の政治広告を抑止し、中国やロシアなどを念頭に外国からの選挙介入を防ぐ為に、オンライン上の政治広告を制限する規制案に大筋合意した。
オンライン上の政治広告を表示する際に、広告主や資金源などの情報を明示することが義務になる。
また人種や民族、宗教といった個人情報を政治広告に利用することが原則禁止になる。
というのも2016年、アメリカ大統領選挙において、ロシアの関連企業がロシアに融和的なドナルド・トランプ氏が優位になるように工作。大量のSNSアカウントを作り、対立候補のヒラリー・クリントン氏を中傷する広告をインターネットに発信した。
企業から見れば、今後のビジネスに有利になる法律を作ってくれる政治家を支援しようともなるんだろな。
また、イギリスのEU離脱を問う国民投票でもSNS上の虚偽広告が問題になるなど。
現代では広告を隠れ蓑にした選挙への工作、他国からの政治介入が社会問題となっている背景がある。
広告の問題とは、エロよりも政治工作の方がヤバそうだと感じるのだが。
■未来の経済
なのでこの広告の社会問題を解決するには、新たな企業経営の在り方を発明するのが良いだろう。
それを行うのはその胸に『エロイ広告は見たく無い』という熱い情熱を持つ人が、真摯に研究する必要がある。
不満を持つ人が自らやらねば誰がやるというのか。
なので先ずは人類の経済と歴史について学習だ。
オススメの書籍は、
『父が娘に語る美しく、深く、壮大で、とんでもなくわかりやすい経済の話。1万年前から現代まですべてを紐解く「資本主義」全からくり』
著者:ヤニス・バルファキス
『これからの「正義」の話をしよう』
著者:マイケル・サンデル
『サピエンス全史』
著者:ユヴァル・ノア・ハラリ
この辺りがノマの推薦図書だ。
本気でエロイ広告を見たくないのならば、エロイ広告ごと世界中の広告を無くしてしまえ。広告業界そのものを破綻させてしまえ。
その為には広告を過去のものとする新たな経済活動を発明し実現しなければならない。
人生を賭けて研究すれば10年後になるか、20年後になるか、30年後になるか分からないが実現できるかもしれない。
なので、ノマは影ながら応援しているぞ。
未来は君の手の中だ。
ということで今回の極論イグニッション、そろそろ終わりの時間となりました。
お別れのBGMは、Selphiusが歌う『HENTAI』
日本のHENTAI文化をリスペクトするドイツ語の歌だ。こいつはクールだぜ、EY!
それでは次回があればまた会おう。
シーユーネクストラガマッシュ!!