異世界転移は唐突に 0-2
「はぁー、どうしようかなー」
定例会議を終え自分の空間に戻ってきたフォルトゥナは空中に浮遊しながらだらーんと横になっていた。
「そもそも前回の定例会議から二年しか経ってないじゃんか、そんなに早く世界のステージレベルが上がるなら誰も苦労しないって」
愚痴をブツブツ言いながらスマートフォンのような端末をどこからか取り出して操作をし始める。
そこには世界地図のようにな物が映し出され様々なグラフのようなものも同時に表示されている。
「うーん、この大陸とこの大陸は良い感じに発展してるんだけどここがな...」
などど端末を画面を操作しながら頭を悩ませながらこれからどうするべきかを考えている。
「ていうか他の世界はさー、ヒト種族だけで争ってたりとか魔族と対立してたりとかなんか神として干渉しやすいのになんでボクの管理してる世界だけ下手に干渉するとバランスがーとか考えなきゃいけないんだよー」
空中で足をバタバタとさせながらも一応世界の現状を確認していくフォルトゥナ。
一通り現状を確認した彼女は持っていた端末を放り投げた後また別の端末を取り出した。
「やーめた!今日はもうアニメ見よーっと!前回はどこまで見たんだっけ」
そうやってフォルトゥナは普段使いしている端末で会員登録しているアニメ配信サイトを眺め始めた。
「世界を管理するのは大変だけど、神としての権限で他の世界の創作物を自由に見れるのは楽しいなぁ。特にこの第三世界のアニメと漫画とゲーム!いやぁ文明が進んでるなぁ、ボクの世界は...」
ちらっと先ほど放り投げた端末へと目を向ける。
「ようやく魔法とか科学って言うものが知れ渡ってきた時期だもんなぁ、こういう娯楽が生まれるのはまだまだ先かな」
投げ捨てられた端末には【ステージレベル3、ステージ4までの進行度おおよそ全体の30% 進展するには大きな文明の発展が必要です。】と表示されている。
「大きな発展って言ってもなー、ヒト種族を優遇すれば魔族に角が立つし、その逆も然りだしなぁ。共存してるとはいえ争ってないってだけで共に手を取り合って生活してる大陸はまだほんの1大陸だけ...うーん」
ぼんやりと考えながらアニメを眺めている彼女の視界に閃きがやってきた。
「次はどのアニメ見ようかなーっと。サイトのおススメは......【異世界に転生したら現代知識で無双な件】?......これだ!!」
勢いよく立ち上がり投げ捨てた端末を拾い上げて何やら操作をしていくフォルトゥナ。
「えーっと第三世界の管理者は.......居た居た!早速連絡っと!えーっと件名は『そちらの世界のヒトを一名ください』」