ふわふわと
降りてくる
降りてくる
言の葉連れたお姫さまが
オーガンジーのスカートはいて
フリルとレースのパラソルさして
ふわふわと
ふわふわと
物語を撒きながら
お花とリボンで飾られた
小鳥の運ぶ丸籠に乗って
ああどうしたら良いだろう
たしかに歌はやってくるのに
私はひとり草原で
立ち尽くしているばかり
くるくると
くるくると
リフレインと寄り添って
ボンボンケースをパカリとあけて
飴玉ひとつ取り出した
肘まで長い絹の手袋
その指先で取り出した
飛んでゆく
飛んでゆく
七色に輝く透明な飴を
軽やかに受け止める赤い口
柔らかな金の巻き毛を揺らし
小鳥の運ぶ丸籠に乗って
さて明日はどこにゆこうか
文字は壊れてばらばらに
落ちてくる
落ちてくる
ひっきりなしに
落ちてくる
受け止めて
受け止めて
文字を集めて言の葉を
歌の尻尾を捕まえて
ころころと
ころころと
鈴を振るよに笑いゆく
もう背中しか見えません
草原を歩き出す
足元に風
雷は遥か
稲妻を求めて進むのは
誰
するすると
するすると
滑って落ちる時の雫は
どこかの海に消えてゆく
お読みいただきありがとうございます