表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

揺らめき移ろうものたち

ふわふわと

作者: 黒森 冬炎

降りてくる

降りてくる

言の葉連れたお姫さまが

オーガンジーのスカートはいて

フリルとレースのパラソルさして


ふわふわと

ふわふわと

物語を撒きながら

お花とリボンで飾られた

小鳥の運ぶ丸籠に乗って



  ああどうしたら良いだろう

  たしかに歌はやってくるのに

  私はひとり草原で

  立ち尽くしているばかり



くるくると

くるくると

リフレインと寄り添って

ボンボンケースをパカリとあけて

飴玉ひとつ取り出した

肘まで長い絹の手袋

その指先で取り出した


飛んでゆく

飛んでゆく

七色に輝く透明な飴を

軽やかに受け止める赤い口

柔らかな金の巻き毛を揺らし

小鳥の運ぶ丸籠に乗って



  さて明日はどこにゆこうか

  文字は壊れてばらばらに

  落ちてくる

  落ちてくる

  ひっきりなしに

  落ちてくる



受け止めて

受け止めて

文字を集めて言の葉を

歌の尻尾を捕まえて

ころころと

ころころと

鈴を振るよに笑いゆく

もう背中しか見えません



  草原を歩き出す

  足元に風

  雷は遥か

  稲妻を求めて進むのは

  誰

  


するすると

するすると

滑って落ちる時の雫は

どこかの海に消えてゆく


お読みいただきありがとうございます

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 言の葉紡ぐお姫さまの画が見えるようです(´∀`*) 素敵な作品をありがとうございました!
2021/07/23 06:29 退会済み
管理
[一言] 始めは可愛いフリルから始まり。詩人の生みの苦しみのそうな、話なんだが最後は自然の壮大さになって終わっている。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ