3 希望
投稿したつもりになってたのですが投稿できてませんでした
光秀達は驚きも隠せないまま医者に案内された。
秀種達家臣は外で待機させ目が冷めてからのことを説明することにした。
「つまり皆様はそれまでの記憶が無いと言うことにございますか?」
「まあ簡単に言えばそういうことになる。それで聞きたいことがある。本能寺で織田信長様が討たれたあとこの国はどうなった?」
「まず羽柴様が明智様を討たれました。その後羽柴様は織田様のご世継ぎに亡き信忠様のお子、三法師様を推され逆に神戸信孝様を推された柴田様や滝川様と対立され翌年戦になりもうした。」
(なんと……筑前も驚くことをしよるのう……)
「そしてその戦で柴田様や織田様の妹のお市様、信孝様は自害され滝川様も羽柴様に降伏されました。」
「つまり今は羽柴様が日本一の勢力だと?」
「されど近頃織田信雄様が徳川様と手を結んだと聞いた事がありまする。」
「つまり近々戦になるということか?」
「その可能性も大いにあります。ところで20年ほど前に似たような方がここに来られた事があります。」
「何!?そのものの名は?」
「遠い昔の話なので名は覚えてはおりませぬがまだ小さい童でした。どうやら目が覚めたら記憶を失っていたようでして……」
「そうであったか。ではもしその童の名を思い出したらワシに伝えて欲しい。」
「承知致しました。」
光秀達は部屋から出ると話し始めた。
「しかし羽柴め……まさか主君の子を殺すとは……」
利三は怒りの表情を浮かべていた。
「しかしあの男1人の発想ではありますまい。おそらく奴の軍師の。」
「黒田孝高か。」
「そう、その男にございます。」
「あの男は右府様に特別恩義も無い。おそらく唆したのはやつで間違いないな。」
「しかし羽柴もそこまで阿呆とは……」
「いや奴の野望が黒田により引き出されたと考える方がよかろう。それよりあの医師の言うておった童が気になるな。」
「20年前と言うとまだ我らは朝倉様のところに身を寄せておりましたからのう。」
「しかし筑前が信雄様と戦になるということはこれは好機やもしれぬ。」
「と言いますと?」
「その戦で手柄を上げ我らが羽柴の中で立場を上げて行きいずれ天下を取るのじゃ。」
「なんと……殿らしい。」
「明智光秀の頃ならともかく久太郎なら奴よりも長く生きれるであろう。右府様が1代で落ちぶれたように成り上がり者は1代で滅びる。だからこそ今は筑前に尽くそうではないか!」
「承知致しました。我らは殿の判断に従いまする。」
光秀に希望の光が差し込んだ瞬間だった