2 現実
アイデアが思い浮かばず更新が遅れてしまいました
申し訳ありません
「兄上!ご無事でございましたか!」
その若武者は光秀達を見た途端涙ぐんだ。
その男に光秀達は見覚えがあった
「源助は無事であったか……」
光秀は小声で呟いた。
この若武者、多賀源助秀胤は堀秀政の弟で多賀家の養子になっていたが多賀家は本能寺の変の際に明智方につき光秀に味方した数少ない将の1人であった。
「いやいや兄上も直政殿も利宗殿も無事でそれがしは何よりでござる。しかしながら1度医者に見てもらえばよろしいでしょう。今迎えの馬を連れてこさせます。」
秀種はそう言うと元来た道を戻って行った。
「いやまさか源助が生きておったとは……」
秀満は驚いていた。
「となると広忠殿や阿閉殿もご無事かもしれませぬ。」
「いやしかし養父上は……」
広忠とは妻木広忠の事で光秀の亡き妻、煕子の父親にあたる。阿閉は本能寺の変後長浜城を占拠し光秀に加担した。
「お待たせ致しました!今馬を連れてまいりました。」
秀種が戻ってきた。
光秀達は馬に跨ると秀種に案内され町に向かった。
「ところで源助よ。山崎の戦は覚えておるか。」
「ええ。もちろん覚えております。日向守様や内蔵之助様は兄上が討ち取り左馬助様は直政殿が討ち取られ日向守様に与した諸将はともに磔にされました。」
「確か妻木や阿閉であったかな?」
「そうでござる。しかしそれがしや柴田殿は兄上が召抱えてくださったではありませぬか。その御恩は生涯忘れられませぬ。」
(柴田もか……)
柴田勝定は元々織田家の筆頭柴田勝家の家臣だったが出奔し光秀に仕えていた。
「明日は羽柴様の所に行くのですからその傷をちゃんと見てきてもらってください。」
そうこう話している内に城下町に到着していた。
光秀は目を疑った
そこはかつて丹羽長秀が所領にしていた佐和山城だったからである。