7話
「レオン、盗賊たちはあらかた捕まえた。残りはマットが追っている。あれは、時間の問題だな。」
青の騎士は「レオン」と呼ばれた。
レオンに話しかけた騎士は、落ち着いたやんわりとした優しい雰囲気だ。
茶色の髪で、目の色はターコイズ。
肩を越すくらいの長い髪はウェーブがかかっている。
それをひとまとめにしていた。
「了解した。マットが殺さないか心配だな。」
「…確かに」
お互いに軽く苦笑いした後、女性たちのほうを向いて、長髪の騎士が言った。
「皆さん、もう安心してください。我々オーク騎士団が助けに参りました。騎士団の施設にて手当を行いますので、兵士の指示に従ってください」
みんな、わあ!っと喜んだ。
強ばった表情が砕けて、泣いて喜んでいる。
「お前たち、女性たちの縄を解いて救護施設へ連れて行ってくれ」
「はい!副団長殿!!」
おぉ、偉い人だった。
ぽけーっと私は呆気に取られていると、レオンと呼ばれた騎士が私に近寄ってきた。
「………ッッ!!」
「大丈夫。縄を解くだけだ。」
反射的に体を強ばらせてしまった私に、レオンは私の目を見ながら言った。
そして私の力が抜けるのを確認して、ナイフで縄を切ってくれた。
(あとが付いてる……)
縄があった手首に目をやると、赤く擦れた後が残っていた。
さすさす、と手首をなでる。
そんな私を青の騎士は、じっと見ている。
視線に気づいた私は、顔をあげた。
私の身長は165センチある。
結構大きい方に入るんだけど、その私でさえ、見上げてしまうほどだから、レオンと呼ばれたこの人は一体何センチなんだ?
180センチ後半はあるんだろうなあ……
目はぱっちりの切れ長で、まつ毛もびっくりするほど長い。
鼻も高い。
サラサラの金髪は耳が隠れないくらいの所で切りそろえられている。
まさに超絶美形のイケメンだわ……。
そんなことを思ってじぃっと言葉も発しないで見入ってしまっていた。
先に言葉を発したのは青の騎士だって。
「……無理をする…」
ん?と思うと、手が私の頬を捉えた。
私の右頬に軽く手を添えながら眉間にシワがよる。
「なぜあんな無茶をした。あと一歩遅ければ殺されていたぞ。」