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異世界に召喚されて  作者: Shion
6/8

6話




昔からそう。


曲がったことが嫌い。


いじめっ子とか許せない。


弱いものいじめとか訳わかんない。


勢いだけじゃだめだよって京さんに言われたなあ。





そんなことをゆっくりと思い出しているけど、その瞬間にも男が私に剣を構えて走ってきていた。


腕を縛られて走れる距離なんてたかが知れてる。



こんなわけわからない所で、わけわかんないやつに殺される人生だったのかあなんて思って、私はゆっくりと目を閉じた。




すると遠くの方から男の叫び声が聞こえた。



「うわああ!」

「何故ここに!?」

「ぎゃあ!」



目を開けて声のするほうを見ると、馬に乗って鎧を着けた兵士たちがやってきた。



いきなりで盗賊たちはもたもたしている。

しかも相手は騎乗していて、速さも高さもリーチがある。

剣を構えるけれど、あっという間に弾かれてしまう。


「やっと見つけたぞ。」


先頭にいた騎士は馬から降りると、氷のように冷たい視線を向けた。

薄い金髪で、ブルーの瞳。

肌の色は白く、透明感がすごい。

濃い青の鎧を身につけていて、顔は恐ろしいほど整っていた。


その騎士が、盗賊に向かって言った。


「メローニ村での盗難、及び殺人、そして婦女子誘拐を行ったとして、貴様ら全員を捕縛する。」


ほかの騎士たちは次々と剣を構えて、盗賊たちを捕まえていった。


「くそっ。何故騎士団にここがバレたんだっ……!」


フードの男たちもかなり焦っている。


「我らはそう簡単に捕まるわけにはいかぬっ……!」


フードの男たちは何か呪文を唱えると、炎の壁が出来た。


「魔術師がいたか。」


やがてその火の壁は青の騎士に向かって、襲いかかる。


「アイスウォール」


左腕を前に突き出し、青の騎士は呪文を唱えると、その目の前に分厚い氷の壁が出来た。


じゅああああぁあ!


水分が蒸発する音が響く。

フードの男が唱えた炎が、青の騎士に届くことはなかった。

しかしその隙にフードの男たちは逃げ出した様だ。


炎をみて他の団員が青の騎士の元に駆け寄ってきた。


「団長、お怪我は?」


そう聞きにきた男性は銀色の髪に、灰色の瞳だった。


「あれぐらいですると思うか?」

「申し訳ございません。」

「シル、奴らを追え。殺すなよ。」

「…承知致しました。」


タタッとシルと呼ばれた彼は、馬に乗り軽やかに駆け出す。



(手の先から火が出た。氷が現れた…。)



金髪の男性が立ち尽くしている私を捉えた。

そして私の方へ歩いてくる。



(馬に乗ってた…。鎧つけてる…。)



そして私の目の前で止まる。



「救助が遅れてすまなかった。間に合ってよかった。」


人形のように完璧な顔で、喋る騎士をみて

あぁ、私の知らない異世界に来たんだ…と私はやっと理解した。







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