表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
さらわれた姫は、自由を謳歌する事にした。  作者: 花籠 密
1章 魔王城での生活
7/14

7︰エリベルトとポンコツ教師

アクセス数が少しずつですが増えていてとても嬉しいです…!

ブクマも増えていました!してくれた方ありがとうございます(嬉しかったです笑)

今日の夜には8話を投稿するつもりなのでよろしくお願いします(_ _*)

 寝てしまったエリノアの温もりを感じながら、エリベルトは固まっていた。

 振り返ろうとするとずり落ちそうになるため、ひたすら前を向いているしかない。

 その顔は真っ赤に染まっている。

 

 「〜〜〜、どう、すればいいんだ、これは…!!」

 

 ――実は、初めに振り返ろうとした時に少しだけエリノアの位置がズレたせいで、丁度エリベルトの耳元で彼女の寝息が聞こえるようになってしまっていたのだ。

 背中をゾクゾクと何かが走るのが分かる。

 加えて布一枚越しの胸の感触がダイレクトに彼の背中を襲っていた。

 最早1ミリも動けない状態だ。

 

 「だ、誰か来てくれ……!」

 

 縋るように扉を見つめた彼だが、ふとある事に気づく。

 

 「…俺は今、結界を張っている、よな?」

 

 ちらりと視界をあげると、そこには確かに半透明の壁が存在していた。

 これではもし誰かが来たとしても結界内に入ることは出来ず、今の彼を助ける事は出来ない。

 絶体絶命の状況だった。

 

 「…ん」

 「ッ?!?!?!」

 

 突然耳元でエリノアが呻いた。

 思わずビクリと跳ね上がったエリベルトの背中から彼女がずりおちる。

 ドさりと音を立ててそのまま彼女は床に倒れた。

 

 「……エリノア?」

 

 恐る恐る声をかけるエリベルトだが、聞こえてくるのは寝息だけだ。

 ほっと息を吐いて彼は椅子から立ち上がった。

 

 「仕方ない、このままベッドまで運んでや…………あっ?!」

 

 やれやれとエリノアを抱えようとした彼だったが、ある一点を見た途端頭は真っ白になってしまう。

 倒れた拍子に彼女のシフトドレスの裾があられもなくめくれ上がって、その白く滑らかな太腿を大胆に晒していたのだ。

 

 「な、なっ、だから何故いつもシフトドレスなんか来てるのだお前は……!!」

 

 小声で叫ぶという何とも器用な真似をしながらエリベルトは顔を背けた。

 これ程バクバクと激しく心臓が音を立てるのは初めての事だ。

 

 (落ち着け、落ち着くんだ俺…!

 この程度で狼狽えるようでは父上と並ぶなど夢物語だ!!) 

 

 ヨシ!!と気合いを入れ直すと、彼は勢いよく振り向いた。

 床には相変わらず太腿を晒した状態のエリノアが倒れ込んでいる。

 

 「俺は優しい魔王だからな。

 例え勉強中に教育係が眠り出したとしても、快く許してやる」

 

 1人でブツブツ言いながら彼女を抱えようとするが、実際何かを口に出していないとどうにかなりそうだったのだ。

 身長的な問題で、結局腕を肩に担いで引きずるようにベッドへと運んだ。

 

 「…全く、俺にこんな事をさせるのはお前くらいだぞ」

 

 仕事を終えて自分もふかふかのベッドに腰かけるエリベルト。

 すやすやと眠るエリノアは、別に微笑んでるいる訳でも気持ちよさそうにしている訳でも無い。

 普通に無表情で寝ていた。

 

 「本当に王女に見えないなコイツ」

 

 少し冷静になってみると、先程まであんなに慌てていた自分がおかしく思えてきた。

 とりあえず教えてもらう魔法でも選んでおくかと彼は立ち上がった。その時だ。

 

 「……エリベルト…」

 「!」

 

 突然名前を呼ばれ、彼は慌てて振り向いた。

 だがそこには、ベッドの上で横たわる彼女が寝息を立てて居るだけだ。

 なんだ寝言か、と教本を取りに行こうとしたエリベルトだったが、もしかして自分が夢に出てきているのだろうかと少しだけ興味を抱く。

 どうしてもその好奇心に逆らえなくなってしまった彼は、もう一度、彼女を振り返った。

良かった、続きが読みたい、という方はブックマークや評価お願いします!

良ければ指摘や感想も下さるととても嬉しいです!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ