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1-2;サングラス


普通の大学生、暁輝あかつきひかるは交通事故で命を落とすが、謎の蟹に命を救われる。生き返り目が覚めたら赤と青のオッドアイになっていた。


7月5日 (水)



「カラーコンタクトすればいいじゃん。」


「!」


あの声だ。

「これから よろしくね!」という言葉を最後に2日間、何もしかけてこなかったあいつ…


ちらっと時計を見ると11時半だ。


「あー、うん…」


やっと週末で、部活も大学もない。心の傷をいやさせてくれ…!寝させてくれ…!


「というかあなた誰だすか!僕の幻聴?」部屋で一人叫ぶ。


「幻聴じゃないよー!約束もう忘れたの?」


………?  約束…


「え、あ、ええ!?じゃあもう体を…ええええ?」絶賛混乱中


「そ!暁輝君。私はもうすでに君の身体の中にいるの。」


あの蟹が俺の中に!


「じゃ、じゃあ この目はあなたが俺の中にいるから?」


「そーでーすっ!」明るく答える蟹


「命を助けてもらったのは本当に感謝してるよ。」


この数日間が脳裏に浮かび目頭が熱くなる。


「…あ、ごめん」


察したのか蟹は謝ってきた。


「いろいろ分からない事があるから説明して!」


「は、はい」



ベッドに足をおろすようにして座る。


「まず最初に、君は何者なの?」


「え。話すと結構長いよ?」


「いいよ、教えて!」


「わかった。」


「この星が地球は人類により文明が栄えた結果、現在の情報化社会ができたのは知ってるよね」


「うんTVでもよく取り上げられてるし」


数多(あまた)の情報が行き来する中、情報の管理が必要になるよね。その管理をしているが、

私たち12星宮なの。」


「12聖宮って、12星座の事?」


「そうそう。天界での事のをちょっと話したよね。それぞれが地球を12に分割したエリアを担当し、各エリアでの情報の回収・解析といった情報処理を行う、それが私たちの仕事なの。ちなみにだけど、私たちの間では自分たちの事を地球情報管理組織 エイモ(EIMO(エイモ);Earth Information Management Oganization)と呼んでいるわ」


「エイモ…」


「私は太平洋が持ち場なの。広すぎだって思うかもしれないけどほとんど海だからさ、人口密度の高い東南アジアに比べたら処理しなければならない情報は少ないのよね」


「日本も太平洋エリアに入ってたのか?」


だとしたらそこそこ情報の処理が大変になるんじゃ…


「ああ、それは友人に色々あって私がそいつのエリアの一部手伝っていたのよ」


「それが日本だった…ってわけか」


「いや、日本全域じゃなくて北海道、東北、関東…そして…」


「北陸!だから富山県にいる俺が助かったのか」


「そう!日本は情報の行き交い量が世界屈指だからね。分担した」


「ふんふん。じゃあ次の質問いいかな?」いろいろ分かってきたがこれは気になる。


「この瞳は?どうしてこうなっちゃたの?青色はあなたって君は言っていたけど、俺の瞳は普通の焦げ茶色だったぞ…?」


「う~~ん そこは私もよくわからなくて…天界での私の目の色が赤だったから、てっきりそうなのかなって思ったんだけど…」


「……」そうかあー


「で、でも多分私が輝の身体に入った時の副作用だと思うから、私が出ていけば元の瞳

の色に戻ると思う。」


「そうか…うん、わかった。目はカラコンで何とかする」


「ごめんね~」


「じゃあ、さいごに名前を決めようか。これでも一緒に暮らしていくんだし…」


「なまえ…」


赤ちゃんの名前つけ辞典を借りてこようかと思ったが、こんな時間だし図書館はもうとっくに閉まっている。


「じゃあ今から携帯で調べるよ。何か希望とかある?この字を入れてほしいとか」


「あーそれなら、漢字一文字で、“美しい”って意味を持っているものでお願い!」


カチカチカチカチ…


携帯に{赤ちゃん 名前 美しい} と入力する。


ごまんとある名前の中から条件を満たす字はある程度絞れた。だがまだ数十個あるのでそこは俺の直感で選ぶことにした。


「…絢とかどうかな、豪華絢爛の絢」


「うん、それがいい!ありがと!」


「よし! 詳しいことはまた明日にしよう… おやすみ…」


座った状態から倒れこみ寝ころぶ


「あ。ちょっと待って!」絢が続ける。


「…?」なんだろう、やっぱり名前を別のにしたいとかかな…


「暁絢です。これからよろしくお願いします」


「あ。ああ!ええと 暁輝です、よろしくお願いします!」


体を起こし よろしく、と返す


「それじゃあ、輝。 おやすみ」


「ああ… おやすみ」




こうしてひとり暮らしならぬ二人暮らしをすることになった。

つづく



あとがきという名の次回予告

コンタクトレンズを買いに眼鏡屋へ行く輝と絢だったが、店の中であることが判明する

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