20.ギルド長室で、有難き助言を〜前編〜
思わず口をあんぐりとさせてしまった私。
それを見てか、おじさん改めオールンさんは小さく笑った。
「そんなに驚くことでもないだろ」
驚きます。
「んで、お嬢ちゃんのことだが」
そうだった。
「なんで私が転移者だって、わかったんですか?」
「お前さんの名前と苗字の順番が逆だったこと。
それと、ユニークスキルだ」
「世界の常識の知識、ですか」
「ああ。それは異世界人の持つスキルだ。少なくとも、俺が見てきた限りではな」
そ、そうなんだ。
「オールンさん、前に異世界人にあったことがあるんですか?」
「騎士団長の時にな。国が勇者召喚をして、そん時に指導した。
男女二人組だったよ。名前は確か、ハルキとサナだった」
――――っっ!!!
「……っておい、どうしたんだ」
「へっ、……あ」
気付けば私の頰を流れていく、一粒の雫があった。
「い、え、なんでもないです。気にしないでください」
唐突すぎる。
なんでオールンさんが、……いや、まだだ。
彼らだと、そう確定したわけではない。
「それでその、ハルキさんとサナさんはどうなさったのですか」
でももしも彼らだとしたら。
……私の夢は、叶うかもしれない。
「数年前に襲った魔物の軍団を見事に蹴散らした。まさに一騎当千というほどの力でな」
「それで今、どこにいるのかはわかるんですか」
「いや、」
そこで一度、オールンさんは言葉を切る。
「…わからない。ある日突然、二人とも消えた」
「そうでしたか」
何かあったのだろうか。
二人は、生きているのだろうか。
生きているのなら、どの世界にいるのだろうか。




