17.ギルド受付で、衝撃を〜前編〜
「こんにちはぁ」
おじさん(名前不明)に会うのは1週間ぶり。
ギルドに登録した日以来、受付で見てない。
まあ受付嬢さんに聞いたら、週に一度、決まった曜日に来るとのこと。
そういえば、この世界の曜日だったり月だったりの日数は日本とほとんど同じ。
1週間は7日で、1ヶ月は30日、そして1年は12ヶ月。
1年間が361日しかないのは違うところかな。
「なんだ、お嬢ちゃんか。何の用だ」
「少し話がしたくて。そろそろ旅に出ようかと考えてるんですよ」
「俺もヒマじゃないんだ。手短にしてくれ」
「そうですか?欠伸していましたよね」
ちょうど私がギルドの中に入ったくらいに。
「よく見てらっしゃることで。
そんで、旅に出るっつうのは」
「はい。様々な経験を積みたいなと思い」
「そうかい。生半可な気持ちで、中途半端な結果にはならねぇようにしなよ」
「もちろんですよ。ステータスも上がってきたんですから」
「成長するのはいいことだ、期待の新人さん」
「はい?」
期待の新人って、そりゃないでしょ。
……ていうか、とても恥ずかしい。
「一週間でそんなに仕事をこなしていりゃあ、有名にもなるさ」
「お金を貯めたかったので」
「そうかい。で、ステータス、見てやろうか」
うーん、そうだなぁ。
助言の1つや2つはくれるかもしれないし、見せてみようかな。
「誰にも言わないって条件ならいいですよ。でも、見れるんですか?」
「言わねぇよ。さすがに会員の秘密は守るさ。
んじゃ、ちょっとまってな」
そう言って、おじさんは奥へ消えた。