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用済勇者の異世界生活  作者: さめたおかゆ
8/33

実際のところ

 絶望の両親神疑惑事件から一年の月日が流れた。


 初めての外出で、人の多さ、自転車、バイク、自動車等に度肝を抜かれたり。


 初めての公園で魅惑の遊具たちに夢中になったり。


 初めて離乳食を食べた時、あまりの美味しさに思わず涙を流したり。


 不安定な精神状態で、朧げな所もあるが主な出来事といえばこんな所だろう。



 で、重要なのは両親の神疑惑についてだ。











 結論から言えば…


 両親は神でもなんでもなかった。


 ただの人でした。


 魔力以外の神聖的な力など無く、電化製品等は電気で動いていただけだった。


 だいたい半年ほど、勘違いしたまま過ごし、魔力の鍛錬をしながら、ひたすらにありもしない力を模索し続けた。


 しかし七ヶ月目に入った辺りから、徐々に言葉がわかるようになってきて、そこからが地獄の始まりだった。


 あんなに真面目に思い悩んだのに、すべて勘違いだったのかもしれないと。


 大真面目に、なんとしても両親達と同じ力を手に入れて、落胆され見限られたりしないよう血眼だったに、そんな力は存在しないと。


 少しずつ理解していく日本語が、その勘違い達を暴いていくのだ。


 認めたくない…認めたくない…とのたうったりもしたし、しばらくの間は絶え間無く恥ずかしかった。


 あまりの恥ずかしさに、数週間ずっと赤面していたせいで、両親達に大層心配をかけてしまった。


 病院に通院したりもした。


 父さん、母さん、本当にごめんなさい。


 さておき。


 家電を動かしているのが電気だと知ってからは、勘違いの方を真実にしたくて、電気について調べ、たまに感電して、両親達に心配をかけながら、それでもこれが神の力なのだと自分に言い聞かせ、魔力を電気に変換する能力を作り出してしまった。


 半月ほど、家族で住んでいるマンションの電力を俺が賄っていたら、電気会社とマンションの管理会社とを巻き込んで大問題になったらしい。


 結局、原因不明で電力会社が諦めて、俺が賄っていた間の電気代を無料にする事が決定するまで、俺は気がきじゃなかった。

 マンションの住人達は電気代無料に喜んでたみたいだけど。


 その後もマンションの電力の10%は、俺が賄っている。 

 バレなければいいだろう。

 凄く良い鍛錬になるからやめたくなかったのだ。



 そして魔電力変換の騒ぎと時を同じくして、ほぼ日本語を理解した事により、やっと現実を受け入れる事への諦めがついた。


 思わず涙を流してしまった……




 羞恥心で。


 毎夜、枕を涙で濡らしていたら両親達に夜泣きと勘違いされ、これまた迷惑をかけてしまった。


 それが二ヶ月前の事で、今現在はだいぶ落ち着いています。


 でも、やっぱり仕方がないと思うんです。だって前世の世界との文明レベルの差ときたら、そりゃあ、日本なんて神の国以外の何者でもないじゃないですか。


 しかも、こっちの世界には魔力が無いっぽい。


 今のところ魔力を持った人を見た事ないから多分無い。


 まあ、だからこそ、こんなとんでもない技術力の高さ誇っているのだろう。

 とても正気とは思えない技術や知識への執念を感じる。

 両親が持っているスマホとか、もう意味がわからない。

 パソコンですら異常な神具なのに、アレはさらに小さいのだ、手のひらサイズだ、しかも遠くの相手と通信ができる。


 はやく俺もアレが欲しい!


 インターネットとかとんでもないんだよ?


 しかし買ってもらうには、まだ俺は幼過ぎるので数年単位で待たなければいけないだろう…


 悔しいので今は魔力回路を通じてインターネットに接続できないか模索中だ!


 できそうな気がするんだ!


 いや!きっと実現してみせる!


 俺ならできるはずだ!


 なんせ俺は、魔力を電気に変換した男だ!


 不可能を可能に変えてやる!


 勘違いで恥ずかしい思いましたけど、なんだかんだで異世界で二度目の人生を満喫しています。

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