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用済勇者の異世界生活  作者: さめたおかゆ
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赤子は物思う

 相変わらず飲んじゃ寝を繰り返す赤子生活。


 まだまだ言葉も理解出来ない。


 二人に抱き抱えられる事もあるのだが、基本的に近場しか見えないので、この家がどんな感じなのかも分からない。


 視界が狭いのは赤子な所為だろうか。


 早くもっと遠くまで見えるようにならないかな〜。


 動き回るにもまだ身体が自由に動かせないからな〜。


 少し時間を持て余し気味になるとやっぱり前世について考えてしまう。


 みんなどうしてるかな〜。


 師匠は…


 …まあ。


 相変わらず戦闘狂を拗らせているに違いない。


 孤児院()の事が少し心配だけど大丈夫だろうか?


 家事等は数年の間に教えたから大丈夫だと思うけど、師匠に毒されていないかが心配だ…


 それにあの修羅に酷い目にあわされていないだろうか?


 俺という防波堤が無くなってしまったが強く生きていって欲しい。


 切実に。

 

 優しさを忘れないで!弟妹達よ!!


 だめだこの話をこれ以上考えるとへこんでしまう。


 別の話題をば。



 忘れちゃいけないのが親友の事か。


 無事かね〜? 


 出会いは最悪だったけど歳の近い初めての友人だったからなるべく無事でいて欲しい。

 出会いが最悪といっても、女の子達に囲まれてイケメンでいけすねえと一方的に俺が嫌っただけだけど。

 悔しい事にいい奴だったから非の打ち所がなかった。

 天は二物、三物を与える奴には与えるよね。

 妬ましい。


 俺の勘が当たってればあいつも大変だろうし、仲間達を頼ってなんとか助かってて欲しいな〜。


 仲間達も元気にしてるかね〜。

 魔王も倒したし、みんなそれぞれの生活に戻るんだろうけど(親友を手助けしてたらもう少し掛かるだろうけど)、魔王軍討伐の旅の間についた二つ名をそれぞれが抱えながら生きていくのかと思うと不憫でならないよね〜。


 一例を紹介しよう。

 『常飲乱酒のフェイルノート』

 『恋敗続きのロリ魔熟女』

 『セクハラ大司教』等々。

 凄いだろ。

 こいつら勇者のパーティーメンバーなんだぜ。

 酷いだろ?


 弁護させて貰えるなら、こんな二つ名ついててもみんないい奴らだったんだよ?嘘じゃないよ?本当だよ?

 まあ、迷惑もかけられたし、一緒に居るのが少し恥ずかしかった時もあったけども。

 

 きな臭くはあるけど魔王も倒したし平和な世でみんな幸せに暮らしていってくれるといいな〜。



 とまあどうにもならない事を考えるのはやめにして、起きていられる時間も増えてきた事だしそろそろ今後について考えていかなければ。


 言葉についてはこのまま生活していけば時期に覚えていけるだろう、しばらくは両親(推測)の会話を注意深く聞いて少しでも早く理解出来るようにするしかない。

 どんな環境なのかも気になるけど、それも今すぐにはどうにも出来ないから時間が経つのを待つしかない。

 

 基本的には現状維持。


 そんな中早急に取り組まなきゃいけないのが、身体能力と魔力の強化。

 どんな状況であれ強ければなんとかなる。

 「如何なる困難が立ち塞がろうとも、力技でねじ伏せましょう」が師匠の教えだ。

 

 それに両親(仮)があまり戦えるようには見えないので二人を守る為にも頑張らねば!


 前世と違い、平穏で幸せな生活を俺は謳歌したい。



 とはいっても手足をバタバタ動かす程度しかトレーニングができない。赤子の内からトレーニングを開始できるのは中々なアドバンテージなのだから良いではないかと自分に言い聞かせる。

 


 早く成長したい。




 仕方ないので、ひと通りバタバタさせた後、少し休憩して、魔力を鍛えようと思ってふと気づく。


 

 前世で俺は魔法をどうやって使える様になったんだっけ?


 …物心ついた時はまだ魔法を使えなかった筈だ。


 …初めて魔法を使ったのはモンスターに追われている最中だったような?


 逃げ惑う中いつの間にかに魔力で身体強化して走ってた気がする。


 生き残るのに必死で、その過程を覚えていない。






 う〜ん。






 どうすればいいのだろう?




 とりあえず。



 まあ。



 身体を動かして眠くなってきたので。



 おやすみなさい。

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