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ホクトリア悲劇

ホクトリア、ガルバディ帝国の首都ベルガーから北にある街。

50年前に、謎の大爆発により、気候の急激な変化により、ホクトリアの大地に作物が育たなくなった。


て、その話は前にも聞いてますけど‥‥‥

肝心のホクトリアの爆発の原因を知りたいんですけどね。


でですねぇ、漸くホクトリアの話に入りましたんです。


“「まあ、単刀直入で言えば、ホクトリアの原因は人間の欲が招いた事だよ」”


五百年前の僕が言います。

けど‥‥‥人間の欲が招いた事って、どう言うことだ?


“「この世界、グリーングリーンワールドは、君らからの時代からおよそ百年前までは戦争をしていたんだよ」”


「戦争をしていたんだって!」

僕は驚いて、ブレイク王に確認すると、首を縦に頷くブレイク王。


“「ただ、僕‥‥いや光、僕らの世界の戦争のような大量に人が死ぬのではなく、本当に小さな、いざこざみたいな戦争を何回も繰り返していたんだよ」”


僕は再度ブレイク王に確認します。

やはり、五百年前の僕が言うように、ガルバディ帝国、アレム大国(この頃のアレム大国はまだ小国家だった)は小さな戦争を繰り返し、していた。

確かにアレム大国は戦争などで、大国になった。

ブレイク王はガルバディ帝国も似たようなもんだと言います。


けど‥‥‥その戦争とホクトリアの謎の大爆発と何の関係が‥‥‥。


“「これは、君らから二百年前の話になるが、偶然、本当に偶然が生み出した物なんだよ」”


偶然が生み出した物?


“「ガルバディ帝国の地下には純度の高いクリスタルが取れたんだ」”


クリスタル?僕はアルベルに聞くと、確かに今もクリスタルは取れるのだとか。しかし今は、なかなか取れない為、幻のクリスタルと。


“「そのクリスタルは各方面でかなりの高値で取引されたそうだ。そして、そのクリスタルを持った者がある国に訪れた」”


ある国?


“「そのある国とは‥‥‥光、君がよく知っている国‥‥‥プリムだよ」”


「!」プリムだって!けど‥‥‥何故プリムが。そして、五百年前の僕が言います。


“「プリム‥‥‥この場所にしか取れない鉱物、プリム宝石。これとガルバディのクリスタルが合わさった時‥‥‥」”


このセリフにアルベルは「ハアッ!」と気づきます。


「まさか!ホクトリアの謎の大爆発は‥‥」


僕もまさかと思いましたが‥‥‥


“「五百年後の僕、信じられないかもしれないが‥‥‥これは事実なんだ。僕も未来視で見て最初は信じられないでいた。けど‥‥‥何度未来視で見ても結果は変わらなかった。プリムにあるプリム湖はその時起きた、爆発の跡なんだよ」”


プリム湖が‥‥‥その跡だって!

僕はマーに聞きますと、マーは


「僕も知らないよそんなこと!僕はプリム湖の妖精になったのは百年前だから、その前のことは知らないよ」


そして五百年前の僕は言います。


“「それを知ったある妖精はプリム宝石を封印、取れなくしたんだ。ガルバディのクリスタルも砂に変えたんだよ」”


じゃあ、ここにある、鍾乳洞内にある砂は元はクリスタルだったのか。だからこんな所に砂が大量にあるのか。


“「けど‥‥‥ある団体がその‥‥二百年前の情報を何処かで知った。そして、どの様なルートで手にしたかは知らないが、プリム宝石とクリスタルを手にした。それをホクトリアで使用したんだ。五十年前に」”


アルベルは両手をギュッと握り、


「いったい、何処の団体だ!」


悔しそうに、いや、かなり怒りに似た様に言うアルベル。


“「五百年後の僕‥‥‥この事を二百年前の事を知る人物が君の側に居るんだよ。それは‥‥‥君に付く妖精だ!」”


僕に付く妖精はマーと‥‥‥まさか!チーなのか!確かにチーは何の妖精かは知らない。


“「そして‥‥‥五百年後の僕、いや、乙川 光に頼みたいことがある」”


頼みたいこと?


“「この地を、ガルバディを守ってもらいたい」”


「?」


“「ホクトリアの悲劇がまた繰り返されようとしているんだ!あの団体によって!」”


「「「「「!!!!!!」」」」」


周りにいる全員が驚きます。

そして‥‥‥五百年前の僕は言います。


“「あの団体‥‥‥反政府組織『自由の翼』が」”と。


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