彼女らの‥‥‥
この回は84話目の下部の続きになります。
アレク王は全員をプリム城から少し離れた場所に案内をした。
その場所は、山と山の間にある丸太小屋だった。
丸太小屋の大きな折りたたみ式の扉を開けると中は真っ暗だ。
その中をスマホのライトで中央まで進むアレク王達。そして、微かに見える白い物が‥‥
「お父様‥‥これは?」
室内がまだ暗く何かがわからない為、アレク王に聞くイレイ。
そしてアレク王は自分のスマホを取り出すと
「アイ‥‥‥エンジン始動!ライトオン!」
「「「「えっ!!!!」」」」
イレイ、メイル、ミレン、エレムが驚くと同時に車のエンジン音とライトが点灯する。
「ま、眩しい‥‥‥」
イレイ達が目を細め腕で目の辺りを覆い隠すとタイル王が、
「光がお前達の為に用意した物だあ!」
と叫び、イレイ達に指を指す。その指を指す先を四人は‥‥‥自分達の後ろを振り向くと、
「「「「お父様!!!!これは‥」」」」
イレイ達の後ろには、四台の白い4WD車が停まっていた。
「何故?これがここにあるのですか!」
メイルが問うと、タイル王が、
「これは光が万が一の時の為に、我々だけの車を用意した物だあ」
「万が一?ですか?」
ミレンが言うと、今度はイグム伯爵が、
「ああ、そうだ!我々一人一人の為に光が用意したんだ!」
「一人一人ですか!?」
「ああ、そうだ!」
エレムが驚いた様に言うと、アレク王が言います。
そう!僕は万が一の時の為に、彼女達を、いや、皆の為にコピーを使い、出した4WD車。
しかもチーとマーの魔法で、燃料要らず、メンテナンス要らずの車に仕上がっている。
「光が毎朝、日が昇る前に出掛ける理由は、これだったんですね」
イレイは目の前の四台の4WD車を見て言います。そして‥‥思い出します‥‥あの時の光に対しての冷たいセリフを‥‥‥‥‥‥‥
「光、いつも朝早くから、どこにいってますの?」
「うん‥‥‥アイにもう少しこの地の道を覚えさせたくて‥‥‥」
「そうなんですのね!光は毎日、アイ!アイ!ですのね!わかりましたわ!いってらしゃしゃいませ!光!」
側から見ても怒っているのがわかるイレイ。
「う、うん‥うん‥‥‥ごめんイレイ。この穴埋めは必ずするから」
「はい、はい!わかってますわよ!光!」
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
「光‥‥‥ウウウッ‥‥‥私‥‥‥私は‥」
イレイは何か申し訳なさそうな顔をして、一人ブツブツ言ってますよ。
で、メイルが、
「どうかしたの?イレイ?」
「‥‥‥実は‥‥」
「うん、うん‥‥‥えええっ!、光様に!‥
けど、イレイの気持ち分からないでもないわ。イレイ!今度、光様に会ったらガッんと言ってやりましょう!ガッんと!」
メイルが怖い顔をしてイレイに言いますよ。
まあ、メイルが遥々プリム小国まで来て、僕に会えず、ましてや、車を黙って用意したんですからね。普通の状態のメイルなら、車を見たら喜んでいたでしょうが。
で、タイル王が
「お前達、全員スマホを出してくれないか!」
「「「「えっ?」」」」
そうタイル王に言われ、四人はスマホを取り出すと‥‥‥
「私のスマホの画面が赤く光ってる」
とイレイ。
「私のは青く光ってますわ」
とメイル。
「私は緑です」
とミレン。
「黄色に光ってますわ」
とエレム。
四人のスマホが色ごとに光りだすと、各4WD車の車内のダッシュボード上の野球ボールぐらいの球体も、色ごとに光り出した。
「お前達が持っているスマホの色と車内で光ってる同じ色が、お前達専用の車だ!」




