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私、貴方に興味を持ちましたわ

「イレイ!」


「えっ?‥‥‥あっ、メイル」


とイレイは木陰で休んでいる少しブルー掛かったウエーブのロングヘアーに透き通るようなブルーの瞳、容姿はどこかの貴族の様なメイルの所までいくと、


「メイル、お久しぶりね‥‥‥ど、どうしたのそれは!!?」


とイレイがメイルを見ると座ったままで動こうとしないメイル。


「もしかしてあの馬車はあなたの‥‥‥」


「ええ、私のです」と左足首をさすりながら話すメイル。


「ど、どうしたんですの、その足は」

と心配そうに話すイレイに


「馬車が窪みに落ちた時に左足首を痛めたみたいなんです」

やはり痛そうに話すメイル。


「少し待っててもらえます?、光!光!」


僕を呼ぶイレイ。


イレイの呼ぶ声に

「どうしたんですか?」


「急いでこちらにきて下さい!」


「わかりました」と急いでイレイの元へと。


「イレイ、この人は?」と聞くと


「光、それよりもメイルの左足が‥‥‥」


「左足?うん?これは‥‥‥」

と僕はメイルの左足首を見ると少し赤く腫れていた。


これは馬車が脱輪した時に左足を捻ったんだろう。このままじゃ痛いだろうから‥‥‥。


「ちょっと待ってて下さいね」


急いで4WD車の所まで走り、車のバックドアを開けるとそこから救急箱を出すと急いでイレイ達の所まで戻った。


「ちょっと左足を見せて下さい」


僕はメイルの左足を触ると、自分も何回か怪我をした事がある症状と同じで


「大丈夫、これは捻っただけですから」


と救急箱からシップと包帯を出すとイレイが


「なんですの?その四角くて白いのは?」


「これはシップです。これをはれば痛みが少しは引きますので」


僕はそう言うとメイルの左足首を持つと、


「貼る時少し冷たいですけど」


とメイルの左足首にシップを貼った。


「つ、冷たい」


メイルが冷たそうに言うと横にいつの間にか居た執事が


「メイル様に何を!」


「あっ、これはシップです。これを貼ると痛みが引きますので」


「本当か?」


暫くするとメイルが


「あっ、本当ですわ。痛みが先程より楽ですわ」と。


「本当ですか?メイル様」


「ええ、本当です」


て、もし効かなかったらどうしようと思ったよ。さすが元いた世界の医薬品。


「あとは包帯を巻いときますね」


とメイルの左足に包帯を巻いた。


「ありがとうございます」とメイル。


「光、私からも。ありがとう」とイレイ。


「えっ(照れ)あ‥‥い、いえ、どういたしまして(また照れ)」

ひえ〜っ!余り褒められた事ないから、しかも美人2人に。


と、そそくさと逃げるように僕は4WD車の所へ。で直ぐに馬車を引き上げる準備にかかります。


「イレイ、ありがとう」


「お礼ならまた光に言ってあげて」


「あの方は‥‥‥」


「乙川 光よ。メイル」


「オトカワヒカリ?変わった名前ですね」


「貴女も私と同じね」

と笑みをしながら話すイレイ。


「えっ?同じですの?」


「ええ、私も光に言ったの『変わった名前ですね』て」

2人はお互いの顔を見ながら笑顔で笑っていた。

「所でイレイ、あの方はどんな人なんですの?」


「えっ?光の事?私にもわからないわ」


「えっ?わからない?」


「ええ、私もつい先程知り合いになったので」


「そうなんですの」

とメイルは光の方をチラリと見た。


『メイル‥‥‥先程から光の方を見てるみたいだけど‥‥‥まさか』

とイレイは思っていたが‥‥‥ それと同時に心に何か不安?を感じた。


『メイル‥‥‥光は私をどう思っているのかしら‥‥‥私何考えてるの、光とまだ会って半日もたってないのに』

何かモヤモヤな気持ちのイレイ。

そうとは知らず馬車を引き上げる準備に入る僕です。


御者に馬を馬車から離してもらうと4WD車をフロントを前にして馬車の前に止めた。

耳にインカムをつけるとアイとコンタクトを取っていた。


「アイ、聞こえるか?」


「ハイ、カンドリョウコウデス」


「今、脱輪した方の車輪の下にラダーを引いたから今度はウインチのワイヤーを馬車につなげる作業に入る」


「リョウカイシマシタ」


今から僕がするのはラダーを使用してフロントウインチで馬車を引き上げる作業。

ラダーとは砂漠とか雪道で埋まったタイヤを滑らないようにする道具。ちょうど戦車のキャタピラの様な物。


フロントウインチは車のフロントバンパーの辺りについているモーターでワイヤーを巻き上げたり引っ張ったりする物。


まず、このフロントウインチのワイヤーを馬車の前に取り付け、ラダーで車輪が窪みを出る時滑らない様にし、あとはウインチを少しずつ巻き上げれば‥‥。


通常、フロントウインチは人が操作するが死んだオヤジがアイだけでも動かせる様に改造した。(改めて凄いと思うよオヤジ)


アイとインカムでコンタクトを取りながら


「アイ、少しずつ巻き上げて」


「リョウカイ、マキアゲマス」


するとフロントウインチからウインウインとモーター音がなると、驚きながらその光景を見る女性の兵と御者。因みに執事はメイルの所にいた。


「アイ、ゆっくり、ゆっくりと」


「リョウカイ、テイソクデマキアゲマス」


ウインウインと唸るモーター。

馬車の車輪が徐々に窪んだ穴から出てきた。

上手い事ラダーに車輪が乗っているので車輪が滑らずにすんでる。


「ゆっくり、ゆっくり、ゆっくり」


「リョウカイ」


ズリ、ズズズズリと音を立てながら馬車は穴から出て来る。


「あと少し、あと少し」


「リョウカイ」


そして、「ドォン」と音と共に馬車の車輪が窪みの穴から出てきた。


「‥‥‥よし!アイ、ストップ!」


「リョウカイ、ストップシマス」


「ふーう、終了。ご苦労様アイ」


「ドウイタシマシテ、ヒカリ」


その光景を見ていた女性の兵と御者は


「こんなに簡単に馬車が脱出できるとは」


「そうですね!これは凄い!」


そう思いながらマジマジと4WD車を見る2人。


僕は無事、馬車を窪みから脱出させられホッとしていたが‥‥‥


「あっ!そうだ車軸の金具」


と言うと今度は電動ドリルとボルトを何本か車からだすと馬車の下に潜り金具を止めた。


「とりあえずは応急処置ですから、帰ったら修理してくださいね」


道具を片付けながら言うと


「なんと応急処置も直ぐに。なんて人だ」


いや、これも道具のおかげです。慣れれば誰でも直ぐにこれくらい直せますよ。


と言いたかったがここは異世界。

こんな電動ドリルなんてのはあるわけ無い。


と、独り言を言っていたらなにやら熱い視線を感じた。

その方を見るとイレイと先程のメイルだった。


馬車の件も片付いたのでイレイ達の所に行くと、


「イレイ、馬車は無事に窪みの穴から出せれたよ」


「えっ?あ、ありがとう‥ございます」


「うん?イレイ?どうかしたの?」


「えっ?あ、な、何でもありませんわ」


「ならいいけど‥‥‥」

変なイレイだな。さっきまで元気だったのに。今は言葉に歯切れが悪いと言うか。


するとイレイの隣りにいたメイルが


「この度は助けていただき、ありがとうございます」

と執事と一緒に礼をした。


「えっ、あ!困った人がいたら助ける。あたりまえのことですよ」


「えっ?あたりまえですか!」


「えっ?」


この異世界では人助けはあたりまえじゃないのか?けど、みんな驚いているからなあ。

て、イレイの様子が‥‥‥。


「イレイ?」


「光、では私を助けたのもあたりまえですか」とイレイ。


「えっ?」


「‥‥‥あたりまえですか」

イレイが何か元気がない様に言ったので


「えっとですね、あの時僕はあたりまえと思う前に体が勝手に動いたんです」


「勝手に‥‥‥ですか」


「ええ、ただその前にイレイの目を見て綺麗だなあと‥‥‥」


はあっ!僕なに馬鹿正直に話しているんだよ


「イ、イレイ?」


「‥‥‥‥‥‥///」


「あ、あのう」


「‥‥‥‥‥//////」


イレイは顔を真っ赤にして下を向いたまま黙ってますよ。


それを見た僕はイレイが怒っているのかと


「イレイ、今のは、今のは‥‥‥」


「///‥‥‥‥‥‥‥今のは‥なに?///」


「あ、あ、あ、えっ、えっと‥‥‥」


「貴方方、なにをしているのですか?」

メイルは2人のやり取りを察したのか、


「イレイ、貴女は昔から自分の気持ちに素直になれないんですね」


「あ‥‥‥ち、違うの」


「何が違いますの?」


とイレイとメイルのやりとりを見ていた僕は


「そういえばメイルて何処かのお金持ちかなにかですか?」と。


「あっ、自己紹介がまだでしたわね」

とメイルが光に言うと


「じゃあ、僕から‥‥‥」


「乙川 光様ですわね」


「えっ?あ、はい、そうです。しかしどうして?」

不思議そうな顔をする光にクスクス笑うメイルが


「私はメイル=ド=アレムですわ」と。


「メイル=ド=アレム?、アレム、アレムはて?何処かで」

と、考えていると執事が


「この方はアレム大国の姫様です」


「えっ?‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ええええええええっ!!!!」


驚ろく僕にメイルが


「私、貴方に興味を持ちましたわ」


「「えええええええええええっ!!!!」」


と今度は僕と一緒にイレイも驚ろいてますよ。


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