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えっ?

ガルバディ帝国の首都にあるベルガー城の地下にある鍾乳洞。

そこに今、僕とマーは居ます。

て、言うか城の屋上の崩落の巻き添えで落ちたんですけど‥‥‥。


で、今何か硬いものに当たった感触が足にあったんですが‥‥‥ライトを照らしても何もないんですよね。

で、で、挙句には


「誰かいるのですか?」


と、女性の声が‥‥‥


で、もう一度辺りをライトで照らしますがやはり何もありません。見えるのは砂や岩だけですよ。

で、でですね、僕が一歩前に歩きだと


「コツン」


と何か当たる音と感触。

で、ライトで照らしますがやはり何もありません。で、また一歩前に、また「コツン」と当たります。


「マー、何かおかしくないか?」


「光もそう思う?僕も妙な感じなんだよ」


「‥‥‥だったら」


僕は足に当たる方へと


「誰か居ませんか!居たら返事をして下さい!」


「‥‥‥‥‥‥‥‥‥」


暗闇の鍾乳洞にライトの明かりと沈黙だけが訪れます

僕はもう一度、先程より大きな声で


「誰か!!!居ませんかああ!!!!」


喉が枯れるのではと思えるぐらいの声を出します‥‥‥‥‥‥すると、


「誰かいるのですか?」


帰って来た、返事が帰って来ましたよ。

そして僕はマーに聞きます


「もしかして‥‥‥これって、魔法の結界と何か関係があるの?」


マーが腕を組んで考えてますよ。

で、僕に質問してくるんです。


「ねえ、光」


「うん?」


「今の声って本当に聞こえているんだよね?」


何かを言いたそうにするマーが聞くので、僕は“うん”と頷くと、


「‥‥‥今の声は普通の人には聞こえないんだよ」


「えっ!?‥‥‥じゃあ、なんで僕に」


僕は驚きますよ。確かに聞こえていたので‥‥

けど‥‥‥本当に?て、聞かれたら自信はないです。

だってですね、ここには僕とマーしかいないので。

で、ですね‥‥マーが言うんです


「光が妖精付きだからだと思う‥‥」


えっ?”思う”てなに?“思う”て。で、改めてマーに聞くと。マーにも今回の様な事例は経験したことが無いとのこと。

だから“思う”ですか‥‥‥




◇◇◇◇





地下に出入りする唯一の扉の前では、兵達が右往左往してますが、アルベルだけが冷静に何かを考えてます。


「‥‥‥チィーユ」


と言うとアルベルは自分の頭に人差し指を立て頭に人差し指をツンツンとすると、

チィーユには分かったのか、アルベルの頭の中に呼び掛けます。


“「何?ギッシュ」”


“「今回の件は本当に彼奴らなのか?」”


“「えっ?どうゆう事?」”


“「余りにも先の事を考えすぎる、いや!それよりもやる事が巧妙過ぎる‥‥‥」”


チィーユに目を合わせるとアルベルは首を振りこちらに来いと合図をする

チィーユはそれに気づくと


“「なあに?アルベル」”


“「これを見てくれ‥‥‥」”


“「!」”


アルベルは扉の下の端の部分を指差すとチィーユは目を丸くして驚いた。


扉の端が僅かだが、わかりづらいぐらいの量で溶接されていた。

これでは扉を開けるのはほぼ不可能。


“「奴らが‥‥‥反政府『自由の旗の元』の奴らがここまで芸の細かい事をするか?」”


“「‥‥‥‥‥‥‥」”


“「奴らなら‥‥‥扉を開けた瞬間に中の瓦礫で俺たちを潰す事が出来たはずだ!」”


“「‥‥‥だったら‥‥誰が」”

チィーユがアルベルに問うが、アルベルは横に首を振るのみ‥‥‥。




◇◇◇◇




見えない何か?そして‥‥妖精と妖精付きしか聞こえない声‥‥‥魔法の結界‥‥‥


「何なんだ?なにがあるんだ?」


マーが首を捻ります。

そして‥


「光‥‥‥また‥‥魔法の結界が‥」


僕はそのマーの言葉に驚きましたよ。


「結界の中にまた結界!」


「うん」


「だったら、この結界マーに消せる?」


マーは暫く考えると


「やってみる!‥‥‥うまくいくかわからないけど」


『(我が主水の精霊アクア様、我に力を授けた前)』


するとマーの体は僕の肩を離れ宙に浮き、今度は何処からか小さな水の塊が重なり出し、それはやがて巨大な‥‥‥大人の背丈ぐらいありそうな水の塊になり、4、5メートルの高さまで上がるとまるで風船が弾ける様に辺り一面に散らばった。


「え、えっ?」


そして、弾け飛んだ辺りの上から徐々に結界が破れ、それはまるで障子紙が水を吸収するかのように、結界に隠された何かが出てきた


「えっ?えっ?えっ?えっ?」


現れたのは‥‥‥


「牢獄?」


僕の目の前には現れたのは牢獄だった。



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