ドローン
「イレイ、ちょっと待っててば!」
「光!早くしなさい!」
イレイが少し怒りっぽく言ってますよお。
やっぱりさっきのメイドとの事をまだ怒っているのか?いやいやあれは不可行為というかなんていうか。と、とにかく謝らないと。
「イレイ、あ、あのね‥‥‥」
僕は一歩早く踏み出したんですよね。そしたらイレイが急に立ち止まり振り向くから、
「早く!光‥‥‥キャア」
「えっ!わあ!」
と、僕はイレイに抱きついてしまいましたよ。けど‥‥‥イレイが動きませんよ。やっぱり怒っているのか?
「えっと、あの、イレイ‥‥‥ごめん」
僕が謝ろうとするとイレイが何かに気づいたのか僕をキュと軽く抱き返してきましたよ。そして、
「私の方こそ‥‥‥ごめんなさい」
この時のイレイが物凄く可愛く感じ、僕も思わずキュと抱き返しましたよ。
「イレイ‥‥‥僕が必ずエレムを見つけるから」
「うん///信じてる//////」と頷くイレイ。
僕は決まった!と思いましたよ。ええ。
が、場所が‥‥‥お城の前だったんですね。
メイドや兵やその他の人達がこちらに注目してますよ。さらに先程までいた部屋の窓を開けこちらを見ているのはマキエ妃とアレク王。
て、そこのオヤジはスマホで写真をとらない!
で、僕は恥ずかしさのあまりイレイをお姫様抱っこして4WD車の所まで走りましたよ。ええ、走りましたよ。/////////はずかしいですよおおお//////て言いながら。
「私は構わないのですが‥‥‥」
少し残念そうに言うイレイですが、いやいや僕、そんなに大それた事はできないです。はい。
「で、光。どうやって探すのですか?」
「う、うん、これを使う」
「これは?」
僕が車から出してきたのは
「ドローン」
なんか脳内で○えもんの道具を出すときの音が‥‥‥。
「どろおん?」
「そう」
て、一見すると10センチの正方形のさいころの様に見えるが、組み立てると20センチちょっとのドローンの完成です。で、こいつにはカメラとマイクの他に小型の熱感知カメラと赤外線カメラがついてます。
「これって本当に飛びますの?」
イレイが言いますので実際に飛ばしてみせますと近くにいた人や兵から
「なんだあの奇妙な物は」
「どうしてあんなのが飛ぶんだ?」
などなど色々言われますよ。イレイも実際飛んでいるのを見て驚いてましたが、これならて、なんだか希望?が出たような顔でドローンを見てます。
で、僕とイレイは4WD車にのりガイアの花を見たと言う谷にいきます。が‥‥‥そこはかなりの木々が生い茂った場所にあり車が何とか一台通れるだけの道しかありません。しかも月明かりも届かないような道。魔法石火の明かりでは暗すぎて前に進みたくても進めないです。4WD車のライトでないと無理ですよ。
そんな暗いとこでドローンを飛ばしても大丈夫かって?とりあえず問題はないです。ドローンの真ん中の上下と各端にLEDを取り付けてあるので。あと僕もヘッドライトを頭につけますので。
で、車で走ること10分。その谷に着きました。道から20メートル離れた何処に崖があります。車を崖側に向けライトとエンジンはつけたままにして止めると、
「アイ、ドローンの各センサーとリンクお願い」
「リョウカイ、リンクシマス」
「アイ、微弱でもいいからセンサーに反応があったら教えてくれ」
「リョウカイ」
「イレイは車の中で待ってて。ここならもしプウが出てきても安心だから」
「はい。光も気をつけて」
「うん」
僕は車から降りると、ドローンとモニター付きのコントローラーを手に生い茂った草むらをかき分けて崖についた。
「暗くてよくわからないけど‥‥‥谷底まで100メートル以上はあるんじゃないのか!」
僕は直ぐにドローンを飛ばすとコントローラーのモニターを見ながら何かに反応があるか探すが中々見つからない。
「アイ、何か反応は?」
「アリマセン」
インカムから聞こえてくるアイの声に僕は焦り出す。が焦り出しても何も変わらない。結局根気よく探すしかない。
そして10分が経過した時、
「ピピッ!ネツセンサービジャクノハンノ」
「!!、アイどこだ!」
「ミギ、コウカ10メートルノトコロ」
車の中でモニターを見ていたイレイは
「光!」
「わかってる」
僕はドローンをアイの指定した所まで降下させた。




