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行(おこな)い

「私達のマナを使って下さい」


妖精付きの主人と妖精達は僕にそう言って来た。

が、僕は最初素直にその言葉を受け入れる事が出来なかった。何故?それはいきなりこれだけの人達(妖精達)に「マナを使って下さい」と言われても「はい、使います」とは言えませんよ。僕の性格からして。

だから、


「気持ちは嬉しい、けど‥‥もし万が一君らに何かあったら‥‥‥」


そう言ったら、一人の男性の妖精が


「なにを言ってますか!私達もこの国を守りたいんです!救いたいんです!今スキル【リペア】を使える人は光様だけなんです!お願いします私達のマナを使って下さい!」


悔しそうなそんな感じの表情で僕に言って来た。その表情を見た僕は、『もし逆の立場だったら‥‥』と思った時、フッと親父の言葉が頭をよぎった。


『人からの善を無駄にするな!』


僕は昔から人から助けられる事がよくあった。けど、自分で何とか出来ると断った事があり、その度に親父に怒られた。


『光、人からの善はかならずしも全ての人に向けられるものではない。何故お前はよく人から助けてもらえるか考えた事はあるか?』


僕は分からず首を横に振ると、親父は仕方ないみたいな表情で僕に、


『お前は俺の言った『小さな事でも真剣に取り組め』を実施していた。そのおこないがお前が知らない所で人を助けていた事を光、お前は知らないだろう。けどな、知っている人は知っている。見ている人はちゃんと見ているんだ。もし、それでその善をもし貰ったら、断るのではなくちゃんと貰え!そして、その善を困っている他の人にあげればいい。そうする事で善の輪は広がっていくんだ』


と‥‥‥。


「僕の今までの行いが妖精付きの主人と妖精の心を動かし、そしてここに助けに来た‥‥」


僕はそう呟くと、僕の横にイレイがいるのに気づかず、その呟きをイレイに聞かれた。

するとイレイは、


「そうよ光。今までの貴方の行いが人々を動かしたのよ。だからみんなと助けましょう!この地を!この国を!」


僕はイレイの言葉に辺りを見渡した。何百人は居るだろうか、僕はいつのまにか心が震え初めて何百人の前で初めて自然と涙が出た。

そして自然と出た言葉が、


「ありがとう、ありがとう、ありがとう‥‥‥」


だった。そして僕は涙ぐみながら


「僕に‥‥‥みんなの力を‥‥‥マナを貸して欲しい、いや貸して下さい」


僕は頭を下げた。すると一人の女性が笑みを浮かべながら


「光様、私達はその為にここまで来たのですから」


それに続いて数人の男性も


「「「ああ!俺たちもその為に来た!なあ!みんな!」」」


「「「「「オオオッ!!!」」」」」


周りにいた妖精付きの主人と妖精は声高らかに叫び歓喜を上げる。


「光様にマナを送れ!」


すると何百人の妖精達は一斉に光り出し、僕にマナを送り始めた。

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