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膝枕

暫く薔薇の庭の前に座る二人‥‥‥そしてクラウドはエミリを見て、


「エミリ‥‥‥戻ろう、母さんの所に」


「もう、大丈夫なの? クラウド‥‥‥」


「最後ぐらい‥最後ぐらい‥笑顔で‥笑顔で‥‥‥」


クラウドはエミリに笑顔を見せた。けど、その目は今にも涙が溢れんばかりに潤んでいた。そんなクラウドを見たエミリは、クラウドの頭を優しく抱きしめると、自分の胸元に引き寄せると、


「クラウド、無理しなくてもいいのよ‥‥」


「けど‥‥僕は男‥‥‥」


エミリは首をゆっくりと横に振る


「そんなの関係ないわ。だって好きな人、愛する人が亡くなったんだから」


その言葉で、クラウドは何か心の中糸が緩んだのか、エミリを抱きしめると、


「エミリ‥‥エミリ‥‥母さん‥わあああああああ!」


クラウドはエミリの胸元に顔を埋めながら泣いた。涙が枯れるまで泣いた。そして、エミリはそんなクラウドの頭を優しく撫でた。


『エミリア、約束するわ! 私がクラウドを護ると! だから安心して‥‥‥』


そう誓うエミリ。そしてクラウドの頭に自分の頬を優しく重ねた‥‥‥。


そのまま暫く、その場にいた二人。

すると後ろから、数人のメイド達が


「「「クラウド様ああ!、何処ですかああ! クラウド様ああ!」」」


クラウド達を探しにメイド達が叫びながら来た。クラウドはいつのまにか泣き寝入りして、エミリに膝枕をして貰っていた。


「あっ! クラウド様! ここに居たのですか‥‥‥」


「「「えっ!!! ‥‥‥嘘!」」」


クラウドに膝枕をしていた美女を見て、メイド達は驚いて、自分の目を疑います。


「「「エミリア様!!!」」」


そんなメイド達の驚く声に眼を覚ますクラウド。


「ふわあ〜、なんだよ騒々しいな」


「ク、クラウド様! 何故エミリア様が!」


「えっ? あっ、ああ。こいつ、エミリだよ」


「「「えっ⁈ エミリ‥‥‥様ですか?」」」


「そうだよ。なあ、エミ‥‥リ!」


クラウドは今の自分の状態に気づくと、顔を赤らめて、上半身を起こそうとするがエミリに、


「クラウド、まだ落ち着いてないのね」


そう言うと、クラウドを両手で押さえつけます。で、クラウドは、


「エミリ! 落ち着いてる! 落ち着いてるよ!」


ジタバタジタバタとするクラウドに、まだ落ち着いてないと勘違いしてるエミリは、まだ膝枕から解放してくれないのかクラウドを押さえ続けます。


「エミリ! みんな見てる! みんな見てるから!」


「ダメですよ! クラウド!」


そんな光景を見ていたメイド達は、クスクスと笑ってます。


「もう大丈夫だよ! エミリ!」


「ダメです! 私がしたいの!」


「あ〜、恥ずかしい///」


恥ずかしさの余り、顔を両手で覆い隠すクラウドであった。


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