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なあ!何を

アレムの城の前で来た僕達。


で、またですかぐらいの兵が(およそ三十人程)4WD車を取り囲みに来ます。まあ、見たことのない車ですから致し方ないですが、


「この馬車、馬がいない!」とか「どうやって動いているんだ?」など色々言ってましたけど、車内のメイルを見ると兵達は一同みなお辞儀をします。それは凄い光景ですよ、僕からしたら。


そして場内に入る石橋を4WD車で渡る四、五メートル有りそうな頑丈そうな門を潜ると

かなり広い広間になった所で車を停めメイルが車から降りるなり、


「ゲイルお兄様はどこいらっしゃいますの!」


と大声で叫ぶと兵と共に足早に何処かに行ってしまった。


で、アレク王は書状をもってタイル王のもとえと案内された。


結局、僕とイレイ、チーは4WD車の所で待つ事に‥‥‥はいいんですけど、やはり4WD車が珍しい(初めて見る物ですから)ので何人かの兵が僕に聞きに来るんです。


「これはなんて言う物なのか?」


「どうやって動くのか?」


「この外の黒くて丸い物は?」


とかいろいろ質問責めです。

で、仕方ないので


「では少し動かして見ますね」


とエンジンを掛けるとガルルルル!と音がでます。すると兵が驚いて一歩後ずさりしますよ。しょうがないんですけどね、だって死んだオヤジがかなりエンジンをいじりましたから。


「大丈夫ですよ!」と僕が言うと兵が不安げに戻って来たので


「では動かします」

と言って4WD車をトロトロと(5キロから10キロ程)動かすと「おおー!」と叫び声があがります。


「馬が引いてないのにどうやって」


とか言っていましたので、


「今度はバックしますね」


「バック?」


「あ、後ろに下がりますね」


「なんとこれは後ろにも動くのか!」


で、バックギアに入れると車内のモニターがバックカメラの映像に変わるとイレイとチーが


「なんなんですの?急に絵が変わりましたけど」


「えっ、あ、後ろにあるカメラに切り替わったんです」


「??」とイレイがわからない顔をしたので


「ほら、あそこに兵が居ますよね。モニターにもここに映ってます」


と指でここですよ、と説明すると


「あっ!本当」とイレイ。


チーは食い入るようにモニターを眺めている。


で、バック走行すると兵がまた「おおー!」と歓喜。


「す、凄いじゃないか!後ろにも動くなんて」


まあ、確かに馬車はバックなんてしませんもんね。(しても少しだけ)


とかしている内にメイルが僕らを呼びに来た。


「ゲイルお兄様がつかまりましたのでこちらへ」


そして僕らはタイル王の待つ王の間へと招かれた。



◇◇◇



もう幾つの部屋を通り過ぎただろうか?長い廊下の様な所を歩いて暫くすると中庭があり大きな噴水の様なモニュメントがあった。

そこの周りをグルリと回る廊下を歩いて行くと大きな三メートルは有りそうな金箔の扉が‥‥そしてその扉を開けると十メートルは離れているか、タイル王がいかにも王の椅子と思う椅子に腰掛けていた。その階段の下にはアレク王が僕らを待っていた。


イレイは玉座の下まで来るとタイル王に跪き頭を下げた。


「タイル王、お久しぶりでございます」


「今回は急ぎで来たためこの様な格好でお許しください」


イレイが言うとタイル王が「うむ」と頷いた。


「イレイ姫、面をあげよ」


「はい」


「今回の一件、メイルから聞いた。誠に申し訳ない」


タイル王が謝罪の言葉を言うとイレイは驚いた。いや、僕も驚いたよ実際。だって大国の王だもん、てっきり踏ん反り返っていたと思ったからね。けどこのタイル王は違っていた。なんて言うかオーラが違うと言うか、凄いと言うか。


「いえ、そんな、タイル王からそのような」


「わしからゲイルには言っておこう‥‥‥」


「‥‥‥」


「と、思っていたが辞めるとするかの」


「「!!!」」イレイとアレク王は驚いた。


「た、タイル王‥‥‥」アレク王が言うと、


「まあ、待てアレク王よ。そなた方はあのゲイルの書状に間に合ったではないか」


「えっ?」


「ゲイルの書状には、いくつもの国が悩まされ苦しんだ。だが貴殿はこれを打ち負かした。初めてな。たぶんこれは直ぐに近隣の国に知れ渡るだろう。あのゲイルの書状を負かした国、プリム小国と」


そうタイル王が言うとアレク王とイレイは跪き頭を深々と下げた。


「「ありがとうございます」」と。


するとタイル王が今まさに来たゲイル王子に、


「ゲイル!今回の件、お前はどうするきだ!このわしの顔に泥をつけたような物だぞ!今後おまえは書状を出すことを禁ずる」


ゲイルは無言でその場にヘナヘナと跪いた。


まあ、しょうがないよね。書状内容に僕らは勝った訳でしかもタイル王に内容までばれては。


そしてタイル王は


「そこの‥‥‥‥なんともうした?」


「オトカワヒカリ様ですわ。お父様」

とそばで耳打ちするメイル。


「おお、そうだ、オトカワヒカリよ。よくぞメイルを助けてくれた」


「えっ?あ、あ、ありがとうございます」


「うん?何を言っている?礼を言いたいのはこちらだぞ」と笑顔で言うタイル王。


「ところでオトカワヒカリ、貴殿は独身かな?」


「えっ?はい」


「おお、そうか。ではメイルと一緒になってくれわしないか?」


タイル王のそのセリフにイレイがピクッと反応したのを僕は見てしまいましたよ。ええ。


てか、単刀直入すぎですよタイル王!


「あ、あのう、ですね、こ、この件に関してはメイル姫にはもう」


「うむ、わしもメイルから聞いた。今はまだ結婚はしないと」


「ええ、そうです」


なんだ、わかってられますではないですか王様。


「うむ。だったら婚約だけでも早くした方がいいのではないか?」


王様ああああ、わかってらっしゃらない!


「えっ?あ、あのですね」

とイレイの方をチラリと見る僕にタイル王が両手でポンと叩くと僕に手招きをした。


「ちこうよれ、もっとだ」


と僕を近くまで寄せると僕の耳元で


「貴殿はイレイとも‥‥‥か。この好き者め」と小声で言うと高笑いをした。


「なあ!何を‥‥‥///」僕は顔を下にして顔面真っ赤になったよ。


僕の背中をバンバン叩くタイル王。

それに「「⁇」」のイレイとメイル。


で極め付けが


「でだ、第一夫人はメイルだな」とまた背中をバンバン叩く。


王様ああああああああああああ!!!!



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