ヴィンセントの冒険
この短編は『魔法と言葉は使いよう』スピンオフ作品になっています。
この話でだけで完結し、とくに本編ネタバレもありません。
(設定としては本編の始まる数年前のお話です。)
ヴィンセント君12歳♂が主人公のほのぼのしたお話です。
イリヤ兄様は剣術、勉学、魔術、どれをとっても優れている。そしてカッコイイ。
兄様のようになること、それが僕の目標です。
***
「ヴィンス〜望遠鏡で兄を盗み見するなんて…君、よく飽きないね」
「キースさん、邪魔しないでください。兄様が兵達に直接指導なんてなかなかないんですから。ああ兄様、風に揺れる紅蓮の髪が美しいです!」
僕の家、ダグラス家は一応この国の大貴族だ。現当主はブラッドリー・ダグラス。僕の父だ。
そしてその跡取りとして一番期待をよせられているのが長兄、イリヤ兄様。目下警備兵に剣術指導中。父様の補佐的な仕事が多く、当主代理で出張することも多い。屋敷にいることの方が珍しいくらいだ。屋敷で直接兄様の剣術が見られるのは貴重。何をやっても完璧にこなす自慢の兄だ。
「…私が君くらいの年だったときはむさ苦しい男どもよりも可憐な女の子に興味があったよ?ヴィンス本当にそれでいいの?」
「だから邪魔しないでください。それにキースさんは年齢以前の問題でしょう」
「そうかなぁ。男は誰しも女の子に夢見るものだよ?…あ、このビスケットおいしい」
望遠鏡から顔を外し、横でいちいち茶々を入れてくる人物を見た。老人のようにのほほんと紅茶をすすっている。
ティータイムを楽しむ人物はこの国の第二王子、キース殿下だ。なぜか最近この屋敷によく出没する。
だいたい兄様にちょっかいを出して追いかけられたり、いつの間にか僕の隣で紅茶を飲んでいたりする。
…この人、仕事はどうしているんだろうか。
「どうしたの?」
僕の疑わしげな視線に気付いたようだ。素直に聞いてみよう。
「最近よくこの屋敷にいらっしゃいますよね。お仕事はいいんですか?」
するとキースさんはさも当然のように言った。
「ああ、最近来てくれた側近がとても優秀でね。おかげで君の屋敷でティータイムができるようになったんだよ」
「うちは喫茶店ではありませんよ…」
顔も知らないキースさんの側近へ仕事が万事うまくいくように願った。
そうそう、話がずれてしまった。読者の皆さんに言わなくてはいけないことがまだあったんだった。
僕は憧れの兄様のようになることが目標。少しでも近づくため剣術はもちろん、弓術、体術、歴史や詩、ダンスなどどれも真面目に勉強をしている。でもひとつだけ不満があった。
僕は魔術の鍛錬を許されていない。
魔術禁忌のこの国にあって、ダグラス家は父も兄も魔術師、立派な魔術師の家系だ。
魔術を使うと知られれば大問題。この秘密を守るため、父から許された者しか魔術を使うことができない。今許されているのはイリヤ兄様だけだ。
兄様は裏で魔術を使う仕事もこなしながら表向きは貴族として仕事もされている。
僕もそんな兄様のようになりたいのに魔術の訓練はさせてもらえない。
この件はずっと僕の中に引っかかっていて喉に刺さった魚の小骨のようにすっきりしない。もやもやする。そろそろ僕だって魔術の一つは二つ、使えていてもいんじゃないかな。
そういえばキースさんは兄様と長い付き合い。魔術を使えるようになる前の兄様のことを知っているはず。その時の様子を聞いて父様に認められるなにかヒントが見つかれば…!
早速僕はキースさんに尋ねた。
「キースさん、兄様とは魔術を使えるようになる前からの付き合いですよね?」
「…んん?ああ、そうだね。私は元々使えてたけど、イリヤは使えなかったね。それがどうしたの?」
慌てて口の端を拭っている。
この人、うたた寝してたな…
「魔術が使えるようになる前の兄様はどんな様子だったんですか?」
「うーん様子?なんかよく喧嘩ふっかけられたなぁ。魔術使うとキレられた。でも昔から腕っ節だけは強かったから魔術使わないと私が痛かったんだよね〜。逃げ足が速くなったのはイリヤのおかげだね」
様子がありありと想像できる。というか今と変わらないだろう。咄嗟に口に出た。
「今と変わらないですね…」
「ふふっそうかな?」
キースさんは相変わらず人の良さそうな顔でにこにこ笑っている。誰だこの人が悪魔のように恐ろしいと吹聴している奴は。ただのお茶目さんだろう。
「そういえばイリヤ、当時魔術の鍛錬をさせてもらえないって愚痴ってたな」
「えっ本当ですか!?」
キースさん、僕が本当に聞きたかったことはそれです!
「そうそう、当時侯爵と魔術を勉強するかしないかで揉めてたみたいだね。それにダグラスの秘密がなんとやら、話がややこしくなってたような…なんだっけかな…二階の絵画がどうとか…あれ鏡だっけ?」
「思い出してください!」
キースさんは腕組みをして真剣に思い出そうとしてくれている。
「うーん、確か二階の絵画の話をよくしてたような?あの後すぐ魔術を使う許可を貰ったような…」
「ありがとうございました!二階の絵画ですね!行ってきます!」
そうと決まれば行くしかない。すぐに椅子から立ち上がり、走り出した。
後ろから微かにキースさんの声が聞こえたような気がした。
***
ダグラスの屋敷は広い。二階の絵画といっても二階だけで何十枚も飾られている。
僕はとりあえず、端から一枚一枚見て回ることにした。魔術は使えないが、魔術本はたくさん読んでいる。知識はあるつもりだから魔術がかけられているものかどうかならわかるだろう。
一枚目、作者不明。ただの風景画だ。菜の花が一面に描かれた黄色い絵。
目を皿のようにして絵を見つめる。変わったところはない。油絵で表面がでこぼこしている。近くで見ると花が波打っているようだ。
二枚目、これも作者不明。風景画。次は桜が一面に描かれたピンク色の絵。
再び、目を皿のようにして見つめる。うーん、これもなにもない。
こうして何枚か見て回った。でもふと気づけば最初と比べて5メートルも動いてない。
…気が遠くなった。瞳が乾燥でしばしばする。
足音が聞こえた。音はT字路の先。あれは…父様?あっちは窓で行き止まりのはずなのに…
「あ!まさか…」
もしかしてキースさんの『絵画の秘密』というのは父様や兄様が魔術の鍛錬用に使っている魔法空間のことかもしれない。場所がわからなかったけれど、今父様が行った先は行き止まり、戻ってくる様子もない。だとすればあの先の絵画が、秘密の魔法空間!
走って父様が行った先へ向かう。角を曲がると案の定誰もいない。
「やった…!」
そこにはステングラスの窓と鏡と小さな絵画があった。
絵画をじっくり覗き込む。少女が花畑に立っている小さな絵だ。他の絵画と比べるとかなりの年代物で額も古い。200年以上は問題なく経っていそうだ。
絵が額から出て、捲れてしまっている。
僕は慎重に絵の端を取り、軽く曲げて額の中で差し込んだ。
不思議だ。絵なのにぬるっとしている。
「…ん?ぬるっと…?わっ!!」
絵に指が食べられた!絵を掴んでいるはずの自分の指が消えてなくなっている。
驚くのもつかの間、そのまますごい力で引っ張られた。
期待と怖さが半分半分。僕は少しの間意識を手放した。
***
ふわふわといい香りがそこら中に漂っている。
気がつくとそこは花畑でした。
「本当に入れた!」
これは言うまでもないけれど…僕は今とても感動している。兄様と同じように魔術に触れている。それに絵画の秘密がわかった!近い内に許可が頂けるかもしれない。
突然頭を殴られたような衝撃、目の前に火花が散った。
「いって!」
僕は本当に殴られたらしい。振り返ると変な格好の女の子がいた。灰色のぼろぼろのワンピースを着ている。地面に届きそうなアッシュブロンドの髪。
「ちょっと!いくらなんでもあたしのこと放置しすぎなんじゃない!暇すぎて頭がおかしくなるかと思ったわよ!」
「いきなり殴られてなんだと思ったら…!いったい君は誰なんだ?」
「はぁ?あんたなに言ってんの?あたしのことを忘れるなんてどういうことよ!」
女の子はきーきー文句を言いながら僕に殴りかかってきた。
「痛い痛い!ちょっと待って!誰かと勘違いしてるみたいだけど、僕がここに来るのは初めてだし、君とは初対面だよ!」
必死に彼女の攻撃を避けながら叫んだ。
「はぁ?じゃぁあんたはどこの誰よ?」
彼女の攻撃が止まった。ほっとする。
「僕はヴィンセント・ダグラス」
「ヴィンセント…?」
女の子は考え込むように僕の名前を復唱した。
「ダグラス家の人間は髪色も目の色も同じでみんなよく似てる。間違えられることはよくあるんだ」
女の子はじっと僕の顔を覗き込んだ。はちみつの飴のような濃い金色の瞳。
「なーんだ、勘違いだったみたい。あいつとよく似てるけど年が全然違う。あんたの方がずっと年下だわ」
どうやら誤解が解けたみたいだ。これで無慈悲に殴られなくてすむ。よかった。
「はぁ…」
思わずため息を漏らすと女の子言った。
「しっかし、ほんとーによく似てるわ。あいつの小さいころそっくり!あ、あたしはキャンディ。よろしくね」
さっきまで目を三角にして殴りかかってきたことがまるで嘘だったようだ。華やぐ笑顔で握手を求められた。少し複雑だ。
「ええと…よろしく。ところで君はなんなの?人間じゃないよね?」
この絵の中にずっと住んでいるんだろうか。
「そう、妖精!あたしは魔術が使えないやつを根っから叩き直す特訓係!ここにずっと住んでるの!」
キャンディはふん、と胸を張って言った。
尖った耳に魔女のように長い爪、そして唇から少しはみ出た八重歯。僕は初めて妖精を見た。
「そうなんだ。じゃあ、今まで何人も特訓してきたの?」
もしかして兄様もここで密かに特訓をしていたのだろうか。いや、でもキャンディにしごかれている様子はどうしても想像がつかない。
「うん何人もね〜でも最近はないな。ほんと暇だった。最後はええと…あんたによく似てた。イリヤってやつよ」
「え!?兄様が!」
まさかのまさかだ。でもチャンス。ここで特訓すれば兄様に近づける。
「本人と間違えるくらい似てるって思ってたけど、兄弟だったんだ!そうよ〜ほんとにあいつは落ちこぼれでね。いつも半泣きだったわ」
…ちょっと待って。半泣きの兄様?いやまさかそんなことは…あんなに強くていつも堂々とされているのに?
キャンディの前では半泣き?
え…?
「ちょっとー、どうしたのよ、ぼーっとして」
「ううん、なんでもない…」
あまりの衝撃に頭が働かなくなった。今度兄様にゆっくり聞いてみよう、そうしよう。
「そーだ、暇だし、アンタの特訓に付き合ってあげる!」
「ええっいいよ!」
「なんでよー。ここに来たってことは特訓に来たんじゃなかったの?」
「僕はまだ魔術を使う許可をもらってない。そうだ!一旦戻らなきゃ。許可貰ってすぐ帰ってくるよ。そしたら特訓してもらえる?」
「まったく、まだそんな決まりがあるの?めんどくさい家ね〜。待っててあげるからすぐ戻ってきなさいな。でも100年以上は待たないからね!また怒るわよ!」
「100年経ったら僕はいないから安心して…」
さすが妖精、桁が違う。
「で、キャンディ僕はどうやって帰ればいいの?」
「そんなの知らないわ。ここに来れたんだし、帰り方はあんたが知ってるんじゃないの?」
「え…僕は知らない。ここに来たのもたまたまだから」
絵に触ったらいつの間にかここにいた。帰る方法なんて思いつかない。
「なんなのよそれ。困ったわね。いつもみんな勝手に帰っていくから気にしたこともなかったわ。やっぱりここで特訓していくしかないんじゃない?」
キャンディはもっともなことを言っている。確かに僕が魔術を使えれば問題ないけれど…
「それは…僕が勝手に魔術を使って規則を破ったら父様に怒られる…」
「なによ意気地がないわね。出られないんだし仕方のないことじゃない」
「いたずらをして怒られるとか、そういう次元じゃないんだ。この家で魔術っていうのは…二度とこの家に入れてもらえないかも」
魔術はこの国の禁忌。国の目から魔術と家族を必死に守ろうとしている父様と兄様。僕はその足を引っ張ろうとしている。
そうだ、二人に無断でこんなところに来てしまうなんて。規則を破ったのも同然じゃないか。
「なーに青くなってんのよ」
キャンディが僕を小突いた。
「人間は難儀よねぇ。そんな深刻な顔をされちゃ、揶揄う気にもならないわ」
キャンディが僕に背を向けた。そしてもぞもぞと何かをはじめた。
「なにしてるの?」
「しるしを送るのよ。ここでずっと待ってるわけにはいかないでしょ。ここにいたら50年なんてあっという間よ。運が良ければ誰かが見つけてくれるわ。迎えに来てもらいなさい」
キャンディの両手から光が溢れた。蛍のように暖かい光がどこまでも青い空へ昇っていく。
「…きれい」
そして光が天へ消えていった。
「ありがとう、キャンディ」
キャンディは僕の顔を見て笑った。
「帰り方もしらない、魔術も使えないのにこんなとこに来るなんて。これに懲りたらちゃんと魔術を学びなさいよ?」
「…うん。今度はちゃんと父様から許可をもらう。それでキャンディに教えてもらう」
「ふふ、約束よ?」
僕はキャンディと指切りをした。
花畑に二人で座る。気づかなかった。落ち着いて景色を眺めるとここから地平線まで見える。しかも見えるところすべて花畑だ。暖かくていい匂いがする。
「ここ、いいところだね」
「ふふふ、でしょ?だからあたしもここにずっといるの」
「キャンディはここにどれくらいいるの?」
「ええっとね〜、うーん、住み始めたのは最近のような気もするし、随分長い間ここにいるような気もするのよね」
「え〜なにそれ」
僕が笑うとキャンディはむっとした顔で言った。
「なによ、人間とは時間の流れが違うんだもの。わからないわ。それに人間の時間は短すぎるのよ」
「それを言うなら僕も。キャンディの時間感覚が半世紀単位だったのにはびっくりしたよ」
キャンディは少し寂しそうに微笑む。
「お互い様ね…そしたら案外あいつも…」
キャンディの言葉は続かなかった。
迎えは意外に早くやってきたからだ。
「…迎えが来たわ。優秀ね、早いじゃない。」
キャンディの見つめる視線の先には大きく重厚な鉄の扉。その扉がゆっくり開いた。
そして僕が一番待っていた人…
「…兄様!」
赤く長い三つ編みをなびかせて兄様が入ってきた。直後扉は跡形もなく消失する。
「…ったくキースのヤツ…おーい!ヴィンスいるかー?」
「僕はここです!」
兄様の元へ走る。走った勢いでそのまま兄様に抱きついた。
「うぉ!?どうしたんだ?」
「…会いたかったです兄様」
「おいおい、今日は朝からずっといるだろ?まあいい。姿が見えないから焦ったぞ。まさかこんなところにいるとはな」
「ごめんなさい…」
「別にこんなことぐらいで怒ったりしねーよ」
そう言って兄様は僕の頭をぐしゃぐしゃと撫でた。
「ふふふっ、よかったわね〜。ヴィンセントもまだまだ子どもね〜♪」
キャンディがにやにやしながら言った。五月蝿い、そんなことは僕が一番わかってる。まだまだ兄様に頼ってばかり。遠く及ばない。
「ん…?妖精か?」
兄様がキャンディを見て言った。
「そうよ〜キャンディ。この絵の妖精よ。あんたは…見ればわかるわ…」
僕も兄様も赤毛と赤い目。誰でも僕たちが身内だということがわかる。
「ああ、ヴィンセントの兄貴だよ」
「よかったよかった。さぁ、もう二人とも帰りな!」
「ああ、そうさせてもらう」
兄様の前にまた大きな扉が出現した。呪文を唱えることもなく、呼吸をするように自然に。
「…すごい…」
「あんたも特訓すればできるようになるわよ」
キャンディが僕にウィンクした。
「…ありがとうキャンディ。必ずまた来るね」
「…行くぞ、ヴィンス、そろそろ夕飯どきだ」
扉が開き、兄様が進み出す。
「…わかった!」
僕も慌てて追いかけた。
扉が閉じる前に、キャンディが笑顔で送り出してくれたのが見えた。
***
気づいたら絵の前に立っていた。僕は戻ってきた。
絵画の女の子———キャンディは動いていた。花畑の真ん中に立ち、笑顔で手を振っている。
「大丈夫かヴィンス?疲れただろ」
兄様が心配して僕の顔を覗き込んだ。
「…ちょっとだけ。でもそれ以上にわくわくしました。兄様、僕も魔術を使えるようになれますか?」
兄様の緋色の瞳を見上げた。
「当たり前だろ?お前は俺の弟なんだから」
嬉しそうに笑いながら兄様がまたぐしゃぐしゃと僕の頭を撫でた。
***
その夜わかったことが色々ある。
結論から先に言うと、すべては僕の勘違い。
「ヴィンスが走って行っちゃった後、やっと思い出したんだよ」とキースさんは言った。
父様と兄様が『ダグラス家と魔術の関わり』そして『如何に我が一族が多くの秘密を抱えているのか』という談義を絵の前でしていたという話だった。かなり白熱していたらしく「あれは激しい親子喧嘩だったね」とキースさんはしみじみと言った。
その喧嘩が功を奏したのかその後すぐに兄様は魔術を学び始めたのだそうだ。実は魔法空間への入り口はキャンディのいる絵画の隣にあった鏡だったのだ。研究をしに行く父様を呼び止めて喧嘩…それが真実だった。
僕が早とちりしてキースさんの話を聞かなかったのが悪いです。本当に反省しています。
それと、絵の中へ兄様が迎えに来てくれたことが嬉しくてすっかり頭の隅に追いやられていたことがある。キャンディに魔術を教わっていたというイリヤという人物はイリヤ兄様じゃなかった。
そのイリヤという人物が僕たちのひいひいおじいさまだということをキースさんは教えてくれた。
僕や兄様もひいひいおじいさまの名前を知らなかった。生まれたときには既に亡くなられていたからね。
なぜあの人が知っているんだろう。
キースさんは帰り際に僕にだけ聞こえるような声で言った。
「イリヤ、泣きべそかきながら修行してなくてよかったね」
僕はそのことを一切兄様たちに話していなかった。だってそんなこと兄様に言えるわけない。
この人はいったい…?
そうそう!もうひとつわかったことは…驚かないでよ。
僕が魔術を使えるようになる未来は思いの外すぐ近くだったんだ。
キャンディ、待ってて。すぐに会いに行くよ。
読んでいただきありがとうございました♪